ヴィム・ヴェンダースもプロジェクトに共鳴
TTTプロジェクトは、まだ17箇所すべてが完成してないにもかかわらず、2021年度にグッドデザイン賞を受賞。海外からも大きな注目を集め、ドイツのヴィム・ヴェンダース監督がこのプロジェクトに共鳴。「社会的に意義があるものを自由な発想で作り上げたい」と、コラボレーションも決まりました。
ヴィム・ヴェンダースは、映画『パリ、テキサス』や『ベルリン・天使の詩』などで世界的に知られるドイツの映画監督。TTTプロジェクトで作られた公共トイレを舞台にした映画の制作を発表しました。新作は2023年に発表される予定です。5月には11年ぶりに再来日を果たし、渋谷や公共トイレを巡ってロケーションハンティングも行ったそう。
新作の主演は役所広司。公開は2023年を予定
映画はトイレを365日清掃する男性清掃員を主役としたストーリー。
主演を務める役所広司について、自分がありながら作品によって異なるキャラクターを演じ分けられる俳優だと評価し、「私は好きではない俳優と仕事はできないのですが、役所さんはどんなに悪い役でも好きだと感じました。この映画の撮影を通して、なぜ役所さんにこんなに惹かれるのかを知りたい」と、ヴィム。
役所も、「ヴィム・ヴェンダース監督の作品に参加できることは、俳優になって40年、この仕事をしていて良かったと思える素晴らしいご褒美です。監督に嫌われないように頑張りたい(笑)」と、意気込みを語っています。
デザインの力によって、公共トイレのイメージを一新させたTTTプロジェクト。日本のおもてなしや美意識が詰まったこのプロジェクトが、ヴィム・ヴェンダース監督の映画を通して、世界に発信される日が待ち遠しいです。
THE TOKYO TOILET
2022.06.02(木)
文=鈴木桃子
写真=平松市聖