触ってみると、フワフワ毛並みなめらか。春の麗らかな陽気の中、ベビーラッシュを迎えた伊豆シャボテン動物公園。約140種類の動物と「あっと驚く」至近距離で触れ合えるこの動物園では、年明けから僅か3カ月で8種26頭もの赤ちゃん動物が誕生した。訪れる人々を魅了するかわいい動物の赤ちゃんを紹介していこう。

 まずは大人気のカピバラだ。

 3月6日に雌が1頭、3月15日に雄2頭、雌2頭の4つ子が誕生した。カピバラといえば、露天風呂に浸かっている姿が有名。4つ子のうち1頭は、生後わずか2日で温泉に入り、飼育員を驚かせたという。ピィーピィーと鳴きながら母親にくっついていく様子には飼育員もほっこり。名物「カピバラの露天風呂」に入っているのは、みかんやグレープフルーツ、薔薇や苺など様々だ。カピバラたちは「柑橘類は苦手だが、薔薇や苺はよく食べる」(飼育員)のだという。入浴後は、併設された床暖房と赤外線ライトで暖をとっていた。

 続いて、シロテテナガザル。昨年12月9日生まれの陽(はる)ちゃんは女の子。人工保育で育つ陽ちゃんは、飼育員お手製の遊具で懸垂を見せてくれた。徐々に体長が大きくなり、最近は足が床についてしまうというエピソードも可愛らしい。

 

あまりの可愛さにアリクイの展示場前に人だかりが……

 南米に住む中型のアリクイ、ミナミコアリクイ。6兄弟の末っ子として、2月22日に生まれた。3月26日に初めて人前で授乳を経験。長い舌を出しながらミルクを飲むのが特徴だ。約30分間の授乳を終えると、たちまち眠りに落ちてしまった。あまりの可愛さに、展示場の前には人だかりができたという。

 げっ歯類のマーラ。3月1日に雄2頭、3月5日に雌1頭、3月7日に雄1頭、雌1頭の計5頭が誕生し、まさにベビーラッシュ。現在、出産を控えている母親も多数いて、飼育員も注意深く見守っている。

 ミーアキャットには2月17日に双子が誕生。生後1カ月経っているが、大きさはまだ手のひらサイズだ。生まれたばかりのころは保育器の中で生活し、寝ていることがほとんどだったが、最近は2頭で遊ぶことが増えたという。胸キュン必須の一般公開までおよそ2週間。待ち遠しい……。

2022.04.10(日)
文=「週刊文春」編集部