『M-1』ってよう考えたら、テレビ、ゴールデンの中のテレビなんですよ。作品を提出する場所じゃない。

 (笑)。

――重たい言葉ですね、それは。

 だから最近は後輩に相談されたら、ちょこっとだけ言いますね。「『M-1』はゴールデンのテレビ番組やからな」って。

 

――自分たちのいいところを変えずに、ゴールデンの大テレビ番組にフィットさせていくのは並大抵のことではないですよね。

 難しいことですね。もはや天の配剤……審査員よりもっともっと高い、宇宙の配剤と思いますから。でもそう、これの理由がいつ知れるだろうとは思いながら生きてます。

――「これの理由」とは?

 決勝に進めなかったことの理由ですね。ずっと『M-1』優勝すると思いながら生きてたんです。ほんまに、女性初の優勝は自分たち以外にありえないだろう、ぐらいに。だけどラストイヤー終わってしまった。ということは、また別の物語が用意されてるだろうなと。

 ああ『M-1』じゃなかったのか、代わりにもっと何か素晴しいものがあるのだろうと思いながら、今は生きてますね。

 人はミッションを持って生まれてくるという考え方を、わりと信じているので。今自分が地球に生きてて、やるべきミッションがあるんだろうなというのはすごく思ってる。

 やっぱり無意味なわけがないと思うんですよね。それこそ漫才のネタにしたくない双子であることとか、女性であることとか。生まれた時に決まってるからには、なにか意味があるのではないかと。

 この我々の感じやからこそ、我々がやるべきミッションがあるんだと思うんですよ。

返ってきた「民衆の支持」

――アーティストスポークンで「(『M-1』決勝には進めなかったけど)民衆は支持してくれた」というお話をされていましたが。

 そう、『M-1』でかたちとして返ってきたものは「民衆の支持」だったんですよ。それが数字となったから、会社が気づいてくれた。民衆にこれだけ支持されたのかって。

2022.02.04(金)
文=西澤 千央