――「美しい」は面白い。
幸 きれいな見かけの女の人、かっこいい女の人が、面白いことを言えるとは思わへん概念を持って育った人が未だにいるから「いや、そんなことないですよ」って抵抗していきたい気持ちはあります。
――お話を伺っていると、Dr.ハインリッヒさんがこの世界で生きていくために、自己防衛としてフェミニズムが必要だったんじゃないかと、そんなことを感じました。何か大事なものを守るため、それはネタだったり、自分たち自身だったり。
幸 そうですね、今もそう。守りたいものは、魂ですよね。自分の魂、それは自分そのものやし。その魂と呼んだものをもうちょっと具現化すると、ランドセルを背負った小さい女の子なんですよ。
――小さい女の子。
幸 その子がつまんなそうにしているんです。その子を笑かさなきゃ、なんです。で、そのつまらんそうにしている女の子って、要するに自分で。そういう女の子は地球に半分おるわけです。
彩 そうですね、ほんまそう。自分なんですよ。最終的に誰を一番笑わしてやるって、自分ですよね。生まれてきたからには笑顔でいたいからこれやってるのかなっていうの、ありますね。
写真=佐藤亘/文藝春秋
2022.02.04(金)
文=西澤 千央