「◯◯な奴」と題したコントをYouTubeで毎日更新するなど、斬新な企画で注目を集めるジャルジャル。そんな2人のコントシネマ『サンチョー』が2021年11月19日(金)より公開される。
メガホンをとったのは、長年ジャルジャルとタッグを組んできた構成作家・倉本美津留さん。単独ライブツアー『JARU JARU TOWER 2021―ジャルってんじゃねえよ―』と連動した作品で、2人でなんと11人ものキャラクターを演じきる。
コントを映画化する、という類を見ない今作の見どころについて伺った。
「まさか映画館で流れるなんて、マジか! という気持ち」(福徳)
――まず、コントシネマを制作しようと思った経緯を教えてください。
後藤 昨年、新型コロナウィルス感染拡大の影響で単独ライブツアーができなくなってしまって……。結局、中止になったので、クラウドファンディングで支援してもらいながら、コントを映像化したんです。
オールロケだったんですけど、撮影自体がすごく楽しくて。スタッフの人たちとは前から「単独ライブごとに映像も作れたら最高やなぁ」みたいな話をしていたので、それが実現したというか。
福徳 そうそう、最初、全国ツアーが終わってから撮れたら撮ろうくらいやったんです。けど、新型コロナウィルス感染拡大の影響で予定していた大阪公演が延期になってしまって、2~3週間くらいスケジュールが空いたことから急遽撮りましょうということになったんです。
当初は2020年と同じようにDVDにするつもりやったんですけど、まさか映画館で流れることになるとは……。思いもよらないことだったので、今はマジか! という気持ちですね。
後藤 映画館で流れるっていうのは、ほんまに想像がつかないですね。公開されたら、おっきいスクリーンで観てみたいですけど。
――実際、その空いた2~3週間で撮影することはできたんですか?
福徳 撮る予定ではあったんですけど、結局そこが準備期間になってしまって。
後藤 クランクイン当日までかなりバタバタしてしまいました。
福徳 (映像を撮るって決まった段階で)単独でやるネタは全部決まってたので、ジグソーパズルのようにそれぞれのコントをつなげていったんです。打ち合わせも単独と映像それぞれ別でやっていたんですけど、僕らもスタッフもみんな、ごっちゃになっていて。
後藤 単独と映画で、違う設定もあるので把握するのは大変でしたね。
――撮影の中で印象に残ったことはありましたか?
後藤 Cherry Berryっていう漫才師のシーン。冒頭から2人で揉めるんですけど、実際にある公園で撮影したのでリアルな声のトーンになっているんちゃうかなと。映像やと、寄りで(表情を)見せたりもできる分、2人の揉め事もずっと観ていられるなと思いました。
福徳 僕は美容室のシーンですかね。単独ライブではセットでやったんですけど、ほんまの美容室でできるのが楽しくて。
あと、現場にいた美容師さんがハサミの持ち方を教えてくれたり、撮影を観ながらえらい笑ってくれたりしたのも嬉しかったです。
2021.11.16(火)
文=高本亜紀
撮影=鈴木七絵