そろそろクリーニング屋さんの奥さんが帰ってくる頃よ

 ネコたちにごはんをあげているのは、「だるま寿司」の女将さん、山本登代子さん。

「この子たちは母娘なの。はなちゃんがお母さんで、くろちゃんが娘」

 キジトラの子が母親のはな(7歳/メス)で、三毛の子が娘のくろ(5歳/メス)と判明。

 女将さんによると、7年前にだるま寿司の隣の倉庫に捨てられていたはなを家族として迎え入れ、はなが産んだくろとともに、だるま寿司で面倒を見ているとのこと。
 飲食店なので中には入れず、お店の外に寝床を用意して大のネコ好きの山本さんが、毎日かわいがっている。

「あら、そろそろクリーニング屋さんの奥さんが帰ってくる頃よ」

 どうやら奥さんは、所用で出かけていたらしい。
 さすがお隣さん、ご近所事情をよくわかっていらっしゃる。

 女将さんにお礼をいい、隣のクリーニングよしのを再びのぞく。

まだカウンターにいた!

 引き続きゆうゆうと寝ているのは、看板猫のマキ(15歳/オス)。

「マキくんはね、写真撮られるのが大嫌いで、絶対嫌がるの」
 と、店主の榊原よしのさんが言うとおり、全然こっちを向いてくれない。

「この子ほんとカメラダメなのよ~」
ぷい

 あまりにもカメラのほうを向いてくれないので、お母さんの奥の手、「超絶極楽マッサージ」で、マキくんの気を引く作戦に出た。
 (続く)

マキのいるお店「クリーニングよしの
住所 神奈川県横浜市西区平沼1-36-6
勤務時間 心の赴くままに

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梅津有希子 (うめつ ゆきこ)
編集者・ライター。1976年北海道生まれ。ヤマハ勤務の後、FMラジオ局、編集プロダクションなどを経て、2005年に独立。女性誌や単行本、webを中心に、ペット、料理、美容など幅広いジャンルで活動中。「CREA cat」「CREA Dog」を毎号担当するほか、別冊マーガレットの『青空エール』(集英社/河原和音)の監修も務める。著書に『吾輩は看板猫である』『吾輩は看板猫である 東京下町篇』(文藝春秋)、『We are ブサかわねこ』(角川書店)、『終電ごはん』(幻冬舎)がある。
公式サイト:umetsuyukiko.com Twitter:@y_umetsu

 

Column

梅津有希子の商店街ネコ探訪

大人気のネコフォトブック『吾輩は看板猫である』、そしてその第2弾の『吾輩は看板猫である 東京下町篇』の著者、梅津有希子さんが、看板猫を探して、今度は商店街を巡ります。

2013.06.28(金)