うちの子ベストショット①
「妖艶な女優のような佇まいの時」
――初めて家に来た日、ハフちゃんの様子はどうでしたか?
保護施設に行ったのは年末やったんですけど、お正月にいきなり来てもビックリするやろうなと思いまして。
――どっちがですか(笑)?
僕もお正月はふわふわしてましたし、猫にとっても正月ムードでいきなり迎え入れられても嫌かなと思って(笑)。あと、僕が家にいることにも慣れてもらわないといけなかったので、仕事が少ない期間だった今年の1月4日から2週間のトライアル期間を始めました。
1~2日目は夜に鳴いたり暴れまわったりしてたんですけど、エサは食べてましたし、トイレもできていて。3~4日目には割ともう慣れてました。
――名前はどうやって決めたんですか?
保護施設ではLOVEっていう名前がついてたんです。けど、僕がその名前の猫を飼ってると、キャバ嬢のヒモ感がめっちゃ強くなってしまうなと思って(笑)。
施設の人も変えていいですよって言ってくれたので、変えすぎてビックリしないように語感の似てる名前にしようと思ったんです。でも、ハフとヤブしか思いつかなくて……。
ハフっていうのは元ヤクルトのピッチャーの名前で、ヤブは元阪神の選手の名前なんですけど、その2択ならハフだなということになりました。
――ハフちゃんを迎え入れるにあたって、どんなものを用意されましたか?
キャットタワーとダンゴムシみたいなちっちゃい家、自動給水マシーン、トイレとかですかね。保護施設の人から「脱走だけはほんまに気をつけてください」ってきつく言われてたので、破れにくい網戸に変えたり、網戸が開かないようにストッパーをつけたりもしました。
あと、エサとかおもちゃ、自動エサやり機は保護施設からいただいたので使ってたんですけど、今は買い換えたものを使ってます。オモチャとか爪とぎとか、めちゃくちゃ買っちゃいますね。
――かなり貢いでますね。SNSにアップされている写真からも、だいぶメロメロな様子は伝わってきます。
恋愛感情で見ているところは、確かにちょっとあります。ファンの方からおもちゃをいただくんですけど、自分で買ったものよりそっちで遊んでると、ちょっとムカつきますし(笑)。
――ヤキモチを焼いてしまうんですね。
そうですね。保護猫なので、僕の家に来た時を推定8ヵ月として、誕生日は“ごっつニャンニャン”で5月22日にしました。今年の誕生日にはケーキもあげて……といっても、ちゅ~るとおやつを載せただけですけど。
――ハフちゃんとの距離感はどうですか?
一定の距離はありますね。近くには来てくれるんですけど、膝の上には乗らないし、布団にも入ってこない。抱っこもさせてはくれますけど、20秒くらいで“もう……ちょっと……あの、すみません”みたいな感じになっちゃうので、密着するのは好きじゃないのかもしれないです。
実家の猫は背中とかにもどんどん登ってきてたんですけど、やっぱり猫それぞれ、性格は違うんやなぁって実感してます。
2021.10.20(水)
文=高本亜紀
撮影=山元茂樹
写真・動画=堂前 透