いつ、どこで起きてもおかしくない災害。CREA WEBで実施した防災に関するアンケートでは、「大きな荷物を抱え、子どもを連れての避難が不安」「何を優先して持ち出したらよいのかわからない」「子どもが泣いたり、走りまわったりして、周囲に迷惑をかけないか心配」といったママやパパの声がありました。
乳幼児をはじめ、子育て世代が備えておくべきもの、日頃からできる防災について考えてみませんか?
今回は、ご自身も4女2男の母であり、東日本大震災で妊産婦と乳幼児支援を行うなど、国内外で活躍されている産婦人科医の吉田穂波先生にお話を伺いました。
いざというときこそママ自身のケアを
――読者アンケートでは、小さな子どもと一緒に避難できるか不安、という声が複数聞かれました。吉田先生は「守るべき者」がいるときの防災について、何が大切だと思われますか?
もしものときに一番大切なものは、もちろん命です。そして、防災において大事なポイントは3つだと思っています。それが、①「モノ」 ②「情報」 ③「健康」です。
日本の総人口に占める子どもの割合は、年々減少傾向にあります。これは、子育て世代は少数派でニッチな存在だということ。つまり、災害のときには、非常に少ない妊婦さんや赤ちゃんまで目が届かない可能性が高いということです。普段から防災セットを用意するなど、自分で備えておく必要があります。
①「モノ」……子育て世代が備えておくべきモノとは?
――読者アンケートでは、「防災セットは用意しているけど、実際に何を持って避難すればよいのかわからない」という方が大半でした。最低限しか待ち出せない場合、何を優先にしたらよいのでしょうか?
2012年から’13年にかけて、東日本大震災で実際に妊婦さんだった方、赤ちゃん連れだった方の約70名にインタビューをして、当事者の経験を「あかちゃんとママを守る防災ノート」という冊子にまとめました。
その中で、「あれがなくて困った」「これがあってよかった」というママたちの声をもとにチェックリストを作成しましたので、まずはこちらを参考にしてみてください。
「あかちゃんとママを守る防災ノート」より
「あかちゃんとママを守る防災ノート」
2021.09.18(土)
文=大嶋律子(Giraffe)