屋外なので密を避けられるといった側面もあり、コロナ禍において人気が加速するアウトドア。外遊びを楽しむためのアウトドアグッズのなかには、防災用として活用できるものも。
暮らしにまつわる著書を多数刊行するエッセイスト、柳沢小実さんは、実は大のキャンプ好き。モノ選びの達人でもある柳沢さんに、非常時に活躍してくれるアウトドアグッズを教えてもらいました。

年々増加傾向にある自然災害。2011年に自宅で震度5弱の揺れに遭遇した際に、身を守ってくれたのは、家にあったアウトドア用品でした。それから、アウトドア用品を防災用に流用することを意識して道具を揃えるようになり、今ではある程度の備えができました。
登山やキャンプは、最低限の装備で衣食住に不便がない状態を作らなければなりません。水を汲んできて、火を焚き、食事を作り、安全に眠る。普段当たり前だと思っていたことをするのに、どのような装備が必要かを学ぶ場でもあります。
アウトドア用品を防災用品にする良さは、あらかじめ道具を使い慣れておける点です。非常時は常に素早く正しい判断をしなければならず、気持ちはもちろん体力的にも消耗します。だから、せめて道具類だけでも、使い勝手をわかっているものを揃えていると、安心できます。
登山やキャンプなどを通じて、これなら非常時にも役立ってくれると実感した、選り抜きの品をご紹介します。
#1 モンベル「バーサライト パック 15」

東日本大震災から10年、あれから極力スニーカーで出かけるようになりました。もしもの際に素早く動けて、また長距離を歩くこともできる靴。そのような視点で身支度をしています。
そして、バッグも両手があくものを選びたい。モンベルのパッカブルリュックは約100gという軽さ。肩紐は平たくて幅があり、荷物が重くても食い込みません。エコバッグ代わりや旅にも使えるリュックです。

2021.09.05(日)
文=柳沢小実
撮影=深野未季