「こっちの方がDIVAだね」
――「DIVA Project」はプロジェクト名がとても印象的ですよね。
20年10月に初めて打ち合わせをした時の資料に、すでに「DIVA Project」って書いてあるんですよ。「DIVA」という基準ができたのは自分の中でも大きな変化でした。この数カ月間、「こっちの方がDIVAだね」という基準で、色々なものを選んできました。
――ゆっきゅんさんにとっての「DIVA」とは何なのでしょうね。
私にとっての「DIVA」は、歌や服装で規定されるものというよりは、精神性だと思っています。あくまで私にとっての「DIVA」ですが、すごく不遜で、自由で、自分自身に誇りをもっていて、わがままで自意識過剰。そして何より、頑張っているんです。「DIVA」は「自分の体よりも大きな態度で挑める勇気をくれる者」なんですよね。「DIVA」そのものになりたいっていうより、ビヨンセのつもりで出勤するとか、「心にDIVA」なんです。
「DIVA」は心の中にいる
――「心にDIVA」、ぐっとくる言葉ですね。
だから、「DIVA」は歌手だけをさす言葉ではないんです。曲を聴いて、これは自分のことだと感じてくださった方はたくさんいると思います。どんな職業、どんな場所にも「DIVA」がいるんですよ。さらに、「DIVA」は動詞にもなるし、形容詞にもなる。「今日の格好、DIVAだな」とか、「その発言かなりDIVAだね」とか。「DIVA」はいろんな使い方ができる言葉だと思っています。
――ゆっきゅんさん以外にも、男性の「DIVA」がいる可能性もあるんですね。
藤井隆さんは「DIVA」だなって思いますね。無自覚なこと、自意識がないことが魅力になることもあるとは思うんですが、体のすべての部位を自覚して、セクシーな理想像を追求している人がいますよね。私はそういう人こそ「DIVA」だと感じます。例えば、西川貴教さんとか、岡村靖幸さん、及川光博さんとか。これからの男性たちは、社会構造にも、そして、自分自身にも向き合わざるを得ない。そのとき、「DIVA」的な存在も増えていくのではないでしょうか。
2021.09.15(水)
文=「別冊文藝春秋」編集部
撮影=平松市聖/文藝春秋