お芝居が断然楽しくなった

 作品を受け取る人の気持ちを慰めたり、鼓舞したりする側の小松さんが、「自分の生きる活力や救いになっている」と語るのが、数年前からハマっている演劇鑑賞。

「舞台って生だから、役者さんの感情や緊張感、声の震えをダイレクトに受け取ることで、観ている側も熱くなれる瞬間があるんです。それがすごく刺激的で。舞台を観るようになってからは、演じるときの入り込み方も変わった気がするし、お芝居が断然楽しいです」

 月に1度は劇場に足を運び、観た作品のチラシはファイリングしているそう。そこまで心を奪われている舞台に挑戦する可能性は?

「んー、今は観るのがすっごく楽しくて。でも、厳しいことを言われたりする稽古とか私、多分好きだろうなあ……(笑)」

 エンターテインメントを愛し、面白いことを求める表現者の好奇心は、確かにうずいている。

小松菜奈(こまつ・なな)

1996年2月16日生まれ、東京都出身。モデルとしてデビューし、2014年に『渇き。』で映画初出演。その後は『溺れるナイフ』、『さよならくちびる』、『閉鎖病棟-それぞれの朝-』、『糸』、『さくら』など映画を中心に活躍。林遣都と共演した『恋する寄生虫』が11月公開。

映画『ムーンライト・シャドウ』

恋人・等(宮沢氷魚)の突然の死に向き合うことができないさつき(小松菜奈)は、以前耳にした“月影現象”に導かれていく……。

「原作好きな祖母や母が映画化を楽しみにしてくれていました。一緒に見て感想を語り合いたいです」(小松)

9月10日より全国公開
https://moonlight-shadow-movie.com/

2021.09.11(土)
Text=Kozue Matsuyama
Photographs=Erina Fujiwara
Styling=Chie Ninomiya
Hair & Make-up=Kie Kiyohara(beauty direction)

CREA 2021年秋号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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