一人でも応援してくれる方が目の前にいたらドキドキします

――今年で33歳ですけど、16歳から仕事をしていることを考えると、普通の社会人なら40歳ぐらいのキャリアですもんね。

 多分ねぇ、もっとだと思います(笑)。最初の方は働いている時間が半端なかったので、就業時間だけを考えたら、土日なんて余裕でなかったし。24時間仕事漬けが当たり前だったから。定年いった分ぐらい働いているんじゃないかな。16年間とはいえ、AAAの與真司郎でいた時間がほとんど。自分で言うのもなんですけど、「頑張ったな」って思います。

 ストリートでお客さんが1人のところから5万人のところまで経験させてもらって、それも、最初から5万人じゃなかったことが良かったって、今は心から感じるかな。下積み時代とか苦労時代とは言いたくないけれど、まあ、ずっと売れない時期はあったので。それも含めて、AAAには感謝してます。

 一応ね、やりたいことは今までできてる気がするんですよ。今は次のまた新しいバケットリストが、わざわざ書いたりしないけど、頭の中にあって。死ぬまでにやっていきたいことのリストに、どんどんチェックを入れていけたらいいな。

――歌やダンスに関して、しばらく本番を経験しないと体がなまるとか、そういう不安は?

 それも全然不安はないです。常にワークアウトもするし、美容健康は気をつけているタイプなので。体力がなくなることはないと思います。ま、老けてはくるとは思うので、それはしょうがない(笑)。それはファンのみんなが許してくれることを願うしかない。もう一度AAAに帰った時には、絶対に最高のパフォーマンスを届けますので!

 とにかく僕は、昔から行動力と決断力が半端なくて(笑)。やりたいことを思いついたら、やらないと気が済まないんですよ。欲しいものは手に入れないと気が済まない(笑)。いくら難しいことを思いついて、「それはできないよ」って言われても、それが叶う方法を全力で模索します。

 グループとソロの仕事を並行しながら、アメリカに住んだこともそう。これ、多分日本人アーティストだと、僕が初じゃないかなと思うんですよ。グループを辞めて海外に行って、数年後に帰ってきますなら聞いたことあるけど(笑)。

――「ドームのあの景色がまた観たい!」という思いは?

 僕的には、何百人を前にするトークショーの景色も、ソロでアリーナの客席が全部僕のファンのみんなで埋まった景色も、AAAで5万人の前でパフォーマンスする時の目の前に広がる景色も、そんなに大きな違いはないような気がする。一人でも応援してくれる方が目の前にいたらドキドキしますし。ワクワクもしますし。もちろん、人が多ければ多いほど嬉しい気持ちは勝るかもしれないですけど。

――ただ、コロナ禍で、誰にとっても先が見えないタイミングで、さらに「何をやるかは未定」みたいな決断は、周りから心配されたのでは?

 どうかな? あったかなあ……。僕がこういう性格なので、友達もスタッフも、「真司郎はどうにかなるっしょ」って感じなんじゃないのかな。エイベックスはとくに、「こいつは何を言っても聞かない性格だ」ってわかってくれてるはず(笑)。いや、もちろん意見は聞きますよ。でも、「こう」と決めたら止められない性格なので。

2021.08.10(火)
文=菊地陽子
撮影=榎本麻美
ヘア&メイク=佐藤真希
スタイリスト=後藤泰治 (SMB International.)