「腹筋1000回」「ベンチプレス150キロ」はエライのか…筋トレでハマりやすい“3つの罠”をご存知ですか? から続く

 ボディラインが気になってくる薄着の季節。お腹周りの脂肪が気になる方も多いかもしれない。そんなとき、真っ先に思いつくのは「腹筋トレーニング」ではないだろうか。しかし、パーソナルトレーナーとして活躍する清水忍氏によると、腹筋トレーニングでお腹の脂肪が落ちることはないのだという。はたしてその理由とは。

 ここでは同氏の著書『ロジカル筋トレ 超合理的に体を変える』(幻冬舎新書)の一部を抜粋し、腹筋トレーニングにまつわる誤解について紹介する。(全2回の2回目/前編を読む)

◆◆◆

腹筋トレではおなかの脂肪は1グラムも減らない

 腹筋運動をやっても、体脂肪が落ちなければ腹筋タテ割れにはつながらない──。その事実を知ったみなさんの中には、「なんだ、じゃあ、おなかにたまっている体脂肪が落ちるくらいに腹筋トレーニングをがんばればいいだけの話じゃないか」と考える人もいらっしゃるかもしれない。

 しかし、残念ながら、これも「タテ割れ」にはつながらない。

 なぜなら、腹筋トレをがんばったところで、おなかの脂肪は減ってくれないからだ。

 ここではっきりお断りしておこう。

 腹筋トレーニングをやっても、脂肪は1グラムも落ちない。おなかの出っ張りも1ミリも引っ込みはしない。また、これと同じように、腕立て伏せをやっても二の腕の脂肪は落ちないし、スクワットをやっても下半身の脂肪が落ちることはない。つまり、筋トレの動きによってやせることはないのだ。

「そんなバカな! じゃあ、これまでやせようとがんばってきたトレーニングは何だったんだ」と思う人もいるかもしれない。

 そういう人々には、非常に残酷な宣告を突きつけるようでたいへん申し訳ないのだが、「筋トレ自体ではやせない」ということは医学的・科学的な事実なのだから仕方ない。

2021.07.13(火)
文=清水 忍