ただし、筋トレ後の日常生活の時間帯では、糖分はグリコーゲンの再貯蔵のために使われるため、体はエネルギー源として体脂肪を優位に使いたがる。だから厳密に言うなら筋トレ後に脂肪が減少することは事実だが、「これだけがんばったんだからずいぶん脂肪が燃焼したはずだ」などとみなさんが期待するほどには、脂肪は減ってくれない。

 話を元に戻そう。腹筋トレをいくらがんばっていても一向におなかが引っ込んでこないし腹筋も割れてこない。では、効率よく腹筋をタテ割れさせるには、どんな方法をとればいいのだろうか。

 それには、とにかく体脂肪を落とさなくてはならない。体脂肪を減らすために必要となるのは、やはり食事コントロールと、体脂肪をエネルギーとして使う有酸素運動である。体内に入ってくるエネルギー量を減らし、体内から出ていくエネルギーを増やしていくのがいちばん効率的だ。適度にバランスよく食事制限をしつつ、ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動をしっかり行なっていけば、徐々に体脂肪が減っていくことだろう。そうすれば、おなかが引っ込み、だんだんと腹筋が浮き出てくるはずだ。

 それと、強いて言うなら、体脂肪を減らすのと同時並行でクランチやレッグツイストなどの腹筋を強化するトレーニングを行なっていくといい。体脂肪を落とすのと同時進行で腹筋を太くしていけば、より腹筋の盛り上がりがくっきりしてくるようになる。だいたい食事コントロール80%、有酸素運動20%、筋トレはプラスαという感じだ。そうすれば効率よくスピーディーに「タテ割れ」をゲットできることだろう。

「腰痛解消のために腹筋をつける」は大間違い!

「タテ割れ」や「ダイエット」とともに、腹筋への誤解でたいへん多いのが「腰痛」に関する勘違いである。

 みなさんの中にも「腰痛の人は腹筋を鍛えるべきだ」という話を聞いたことがある人が多いのではないだろうか。

 

 しかし、この話はあまり信用できない。どんなに腹筋トレをがんばっても腰痛が改善されないことが多いからだ。むしろ、腰痛持ちの人が間違った腹筋トレーニングをしたりすると、かえって痛みを悪化させてしまうこともあるので注意が必要だ。

2021.07.13(火)
文=清水 忍