似ているけど違う部分。それは互いに尊敬できる部分でもある
――共通点が多く、通じ合っているお2人ですが、ここは似ているけど、ここは違うというところは?
七海 ふわふわしているところ?
美弥 でも、かいちゃんのほうが細やか。
七海 ホント? そんなことないと思うよ。
美弥 音楽学校のお掃除はかいちゃんが責任者だったんです。だから、やっぱり「いつまでもかいちゃんについていく」みたいな気持ちは、まだちょっとあるかもしれない(笑)。あと、かいちゃんのほうがマメです。
七海 マメかな〜。でも確かに、連絡を返すのは早いと思う。
美弥 私は基本すぐ返さない人だから。
七海 そう、まいちゃんに連絡しても、「まだきてない……」「まだかな、まだかな」って。返事を待っているのも楽しいけどね(笑)。
ファンの人を大切に思う気持ちの強さはお互いの共通点
七海 退団してそれぞれの道を進んでいるけど、同期の動向は気になってチェックしたくなるから、美弥ちゃんが出ている雑誌とかも見ていて。そこでインタビューとかを読むと、応援してくれる方のことをすごく大事にしていることが伝わるから、そこはお互い共通点かなって思う。
美弥 それはきっと、さっき話したみたいに、お互い下積み時代が長かったというのもあるかも。「どうしてそう長く頑張れるか?」っていうと、やっぱり応援してくれる人がいたからで。お互いすごくそれに感謝している気持ちが大きい、というのは私も思います。かいちゃんが発信している言葉を見たり、2人で話したりする時も感じるのが、「自分ひとりじゃなく、みんなでここまで来られている」「今もみんながいるから頑張れている」「みんなの応援が活力になっている」ということ。それは、お互いとっても大事にしてるよね。
七海 うん。そしてこれからも、大事にしたいなって思います。うーん、明らかに違うことってなんだろうね。待ち合わせの時間は守るほう? 私すっごいギリギリに来るタイプなんだけど……。
美弥 あー、私は意外に守ってると思う。5分前とかに着いて待ってる。だけどなんか気を遣っちゃって、待ってなかったふりしちゃう。
七海 あっ、ここたぶんすごく違うところだと思う! 美弥ちゃんは、すごく相手の気持ちに寄り添って気を遣えるよね。本当に尊敬してる。私ってほら、気を遣っているようで、できてない。みんな気付いていると思うけど。
美弥 天然さんだから(笑)。
七海 美弥ちゃんみたいに「気を遣ってるって思わせない気の遣い方ができる人」ってすごいなって思う。でも、「大丈夫?」「疲れない?」とも心配にもなるけど。
美弥 それは私自身もそんな自分に疲れることもあって、もう少し「自分の気持ちを大事にする」みたいな、もうちょっと気持ちを自分に向けるってことを、最近ようやくし始めたよ。
七海 はぁ〜、よかった。安心だよ。
美弥 かいちゃんも何か、変化したことある? 時代とともに。最近、これ手放したなみたいな。
七海 うーん……あ、あれでしょ、あの、“キャシュレス”ってやつ。
美弥 (爆笑)
七海 常に古風な感じで生きてきたものですから、長いこと。だから『ピッ』とかそういうのにあまり慣れてなかったけど、少しずつ慣れていかなきゃと思って。宝塚を退団してからSNSとかもね、今のこの世の中の流れに乗らなきゃなって、すごく思いましたね。
美弥 すごいやってるじゃん。かいちゃんが切り開いてる。
七海 いやいやいや、そんなことない、そんなことないよ。試行錯誤しまくって、毎回あわあわしながらやってます。いつまでたっても送信ボタン押す時は緊張するし。
2021.06.17(木)
Text=Kyoko Murahana
Photographs=Takeshi Takagi(SIGNO)
Hair & make-up=Tomoko Okada(TRON)〈Rurika Miya〉、Ikuko Shindo(TRON) 〈Hiroki Nanami〉
Styling=Yumeno Ogawa