掘り出し物見っけ! 古本&アート巡り

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 黄金橋を渡ると、大岡川沿いの京急線高架下に、真新しいガラス張りの施設が目に入ってきます。ところどころウォールアートが描かれ、オープンウインドウのカフェやギャラリー、スタジオ、ショップ、アーティストたちのアトリエもちらほら。

 黄金町といえば、黒澤明監督の映画『天国と地獄』で、誘拐犯が殺人事件を起こす〝地獄の街〟〝暗黒街〟として描かれたことでも有名な街。2000年代前半まで違法なお店が最大250軒以上あったという高架周辺のエリアは、かつての近寄りがたいイメージを払拭するため、行政や地域等による取り組みで〝アート〟を用いたまちづくり拠点へと変化を遂げています。

 アートフェスティバル「黄金町バザール」や、この地に住むアーティストが先生となってさまざまなアート教室が開かれるなど、ますます「アートのまち」として進化し続けています。

 2010年にオープンした「黄金町アートブックバザール」も、高架下の再開発で誕生したアート系スポットのひとつ。写真集や画集、雑誌など美術系の書籍がびっしりと並ぶ、アート好き、本好きにはたまらないユニークな古書店です。

 いわゆる「古本屋さん」のイメージとは全く異なる洗練された明るく広めの空間に、書籍が並んでいます。また、古書だけでなく、黄金町に滞在し制作活動をしているアーティストや、ゆかりのある作家たちの作品の展示・販売も行っており、ここでしか手に入らないレアなものも多く取り扱っているのも魅力です。

 普段は手に取らないジャンルが突然目に止まったり、自分好みの本や作品に出合ったり……。きっと、ふらっと立ち寄るだけでも、思いがけないモノに遭遇するはず。黄金町の高架下巡りで五感を刺激しましょう。

黄金町アートブックバザール

所在地 横浜市中区日ノ出町2-145番地先 日ノ出スタジオIII棟
電話番号 045-231-9559
営業時間 11:00~19:00
定休日 月曜(祝日の場合、翌火曜)
https://koganecho.net/spot/koganecho-artbook-bazaar
Twitter @k_artbookbazaar

2021.06.21(月)
文=大嶋律子
写真=釜谷洋史