自由に台湾旅を楽しむにはまだまだ時間がかかりそう。台湾が恋しいCREA読者のため、また観光客を失ってしまった台湾のお店のために、毎月定期的に台湾情報を発信している「台湾ぶらぶら食べ歩き」と「片倉真理のときめく台湾土産」で、「CREA台湾応援隊」を結成。

 2連載共同で、日本にいながらお取り寄せが可能なおすすめ店をご紹介いただきます。

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まさにこれから旬を迎える品種も!

 台湾は誰もが認めるフルーツ大国。なかでもパイナップルはその代表的な存在です。

 今回はそのおいしさの秘訣を探るとともに、オンラインで日本からも購入できる生パイナップルからパイナップル関連食品までを、ご紹介したいと思います。

 台湾のパイナップルの産地は主に南投県、嘉義県、台南市、高雄市、屏東県など。なかでも生産量が多いのは高雄市と屏東県で、高雄市の大樹や屏東県の高樹、内埔、萬巒、枋寮、長治などで栽培されています。

 また、台南市の關廟も産地として知られます。陽光が燦々と降り注ぎ、水はけと風通しが良好な土地が栽培に適しています。

 一面に広がる畑には日陰がないため、パイナップルの収獲は日差しが強くない早朝、または夕方に行われます。

 農家の方たちは強靭な葉や棘から身を守るため、顔から腕、足元まで全身を布で覆いながら、ナイフで一つひとつ、切り落としていきます。

 一個あたりにかかるカットの時間はわずか数十秒。神業的な刀さばきに圧倒されます。

 また、台湾では長年にわたって品種改良が進められてきたため、種類が豊富。現在、栽培されているパイナップルは20種類ほどあります。

 在来種で酸味が強く、繊維質が粗い「土鳳梨」や果肉がミルクのように白い「牛奶鳳梨」、独特な香りをもつ「香水鳳梨」、甘味の強い「甜蜜蜜」、スイカのように巨大な「西瓜鳳梨」などがあります。

 なかでも人気があり、評価も高いのが「金鑽鳳梨」と呼ばれる品種です。これは濃厚な甘さで、繊維質が少ない上に芯まで柔らかいので、丸ごと食べることができます。

 食感もよく、食後に喉や舌が痛くなりません。そして、栽培しやすいこともあり、栽培者や業者にも好評で、台湾で最大の栽培面積を誇る品種となっています。

 台北の人気フルーツショップ「陳記百果園」のオーナー・陳天景さんによれば、金鑽鳳梨が最も美味しい時期は、清明節(春分から15日後、2021年は4月4日)から中元節(旧暦7月15日、2021年は8月22日)までとのこと。まさにこれからが旬です。

 通常、パイナップルは「頭」の部分が甘めなのですが、この時期は「尾」の部分までしっかりと甘くなり、丸ごとおいしく食べられます。ちなみに、パイナップルの頭というのは地面に近い方で、カットした時、下になる部分です。

 台湾から輸出されるパイナップルは9割が中国向けでした。しかし、2021年は3月から輸出停止となり、急きょ日本への輸出増加が決まりました。今後、スーパーなどで台湾産パイナップルを見かける機会はぐっと増えるはずです。

 ただ、お住まいの地域でなかなか見かけないという方は、オンラインストアで購入してみるのも手です。また、パイナップル関連の商品の購入も台湾農家の応援に繋がるので、ぜひ色々と試してみたいところです。

 ちなみに台湾でパイナップルを買うと、店先でお店の方が皮を剥いてくれます。動画でもご紹介しますね。

2021.04.08(木)
文・撮影=片倉真理
動画=片倉佳史