「もう木曜日、今週末何しよう?」

 興味あることは沢山あるけど、「To Do List」じゃ重すぎる、スローなウィークエンドにしてほしい。そんなあなたのために、ゆるーい週末の過ごし方ガイドをCREA編集部が5つピックアップしてみました。

 もちろん、今週末は部屋でゆっくり寝て過ごしちゃう、なんてのもOK。だって、週末はまた来週もやってくるんだから。


①注目若手漫才師の“自由律俳句”を読んで世界を広げる

 漫才が面白いのはもちろんなのですが、私が今ハマっているのはボケ担当の永見大吾さんがTwitterやnoteで発表している「世界で1人は言ってるかもしれない一言集」というもの。

 その名の通り、「世界で1人はこんなこと言ってるかもな」と思わせるものなのですが、それがすべて自由律俳句のようで素晴らしいのです。

『このレシピ、両利きの人が書いたのかな?』
『息継ぎの時にみんなが帰っていくとこ見えたよ』
『見てこれ、スポンジじゃないのにすごく水吸ってくれる』
『からあげをさわった手でチェックメイトだ』

 心を刺激してくる「一言」を挙げていくとキリがない! 永遠に読んでいたい!

 住んでいる場所や年齢、性別までもを自由に行き来しているこれらの「一言」を声に出して読むのが、最近の日課です。

カベポスター 永見大吾さん

Twitter @kp_nagami
note https://note.com/pangaamatteru/m/m83cd35a295aa

②週末どころか一生楽しめる、短編集

 カルチャー全般に詳しい、私にとっての“知の巨人”である同僚に「佐川恭一読んでます?」と尋ねられたのが今から1年半前。

 彼女のおすすめはもれなく面白いので、その日のうちに佐川氏の著書『サークルクラッシャー麻紀』を読んだところ、笑っちゃうくらい最高というか、読んでる最中に何度も爆笑しました。

 その日のうちにネットで手に入るものは読破し、佐川氏の作品が掲載されている「小説すばる」はすべて購入。当時大好きだった人にもすすめたり、なんだかピントが合っていない著者近影をphotoshopに取り込んで無理やり解像度をあげようと頑張ったり……。これほどまでに夢中になったのは、ゴーゴリ以来かもしれません。

 そんなロシアの文豪と私の中で肩を並べる、佐川恭一氏の初となる紙の短編集『ダムヤーク』がついに刊行されました。

 この短編集に収録されている作品の中で一番好きだったのは「私はやる気がなかった。」の一文から始まる「超速個人史B」。

 わずか数ページで、このやる気のない男の人生が想像もつかない方向に進んでいく“佐川節”に興奮すること必至です。それにこの書き出し、太宰治の『畜犬談』みたいで大好きです。

『ダムヤーク』佐川恭一著

RANGAI文庫 1500円+税

2021.02.25(木)
文=CREA編集部