“やれることをやっていこう”巳之助さんが見つめる未来
![巳之助さんがナムリス(写真)・ミラルパ役で出演した新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』はDVD・ブルーレイに。他にも、劇場に来られないお客さんのために、配信で楽しめる演目が増えている。©松竹](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/f/b/-/img_fbd809567fbb4494591b28e599a2af13128431.jpg)
歌舞伎座の客席収容率は依然として50パーセント。さまざまな理由で劇場まで行くことがかなわない人もたくさんいらっしゃるのが現実です。
「この状況がいつ終わるのか、またどういう終わり方をするのかもわからないですし、もしかしたら客席はずっとこのままということだってあり得ます。誰にもわからない先のことを思い悩んだところで、何かが変わるわけではない。ですから流されるでも逆らうでもなく、視野を広げて自分の置かれている立ち位置を見極めながら、やれることをやっていこうと思っています」
【もっと知りたい!】
![2021年1月歌舞伎座『壽浅草柱建』小林朝比奈=坂東巳之助。©松竹](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/a/8/-/img_a81756759254679cd62a04283e588fe9271494.jpg)
歌舞伎俳優としての巳之助さんの2021年は、歌舞伎座で上演された『壽浅草柱建(ことほぎてはながたつどうはしらだて)』で始まりました。この作品は新たにつくられたものではあるのですが、登場人物たちは歌舞伎で古くから演じられて来た定番キャラばかり。それぞれの人物の性質をメイクや衣裳で視覚化しているところにひとつの特徴があります。巳之助さんが演じたのは“道化”というカテゴリーに分類される小林朝比奈で、文字通り猿のような隈取“猿隈”をしての登場です。
こうしたタイプの作品を観るに当たって押さえておきたいポイントを巳之助さんが教えてくださいました。
「歌舞伎の隈取は血管や筋肉を誇張したものなんです。そこがピエロとも、独特のメイクをして個性を主張しているキャラとも違うところです。朝比奈はこんな顔をしていますが、これこそが素顔。ですので、こういう人なのだと思ってご覧いただければと思います」
古典も新作もそれぞれの作風に則してさまざまな役を演じわけている巳之助さん、じっくりとその未来に注目していきたいですね。
●巳之助さん 第一部『泥棒と若殿』松平成信役で出演中!
二月大歌舞伎
![](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/8/5/-/img_85a052e39d77509ef984bef1db141671387745.jpg)
期間 2021年2月2日(火)~27日(土)
第一部 午前10時30分~
第二部 午後2時15分~
第三部 午後5時30分~
※休演 8日(月)、18日(木)
会場 歌舞伎座
https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/702/
●おうちでも楽しめる 巳之助さん出演作品
新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』
![](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/f/8/-/img_f8fe2f5d7647d87984dc049ad25c47e6357980.jpg)
ブルーレイ(2枚組) 12,000円
DVD(4枚組) 9,600円
製作 松竹
発売元 ウォルト・ディズニー・ジャパン
https://www.nausicaa-kabuki.com/
シネマ歌舞伎『スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース』
![](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/9/e/-/img_9e2d1832b50fa51ec75f6cfe4e4cc5e51885388.png)
Amazon Prime Video にて配信中
レンタル料 各1,900円(税込)
https://www.amazon.co.jp/dp/B08RSGXJ6P/
![](https://crea.ismcdn.jp/common/images/blank.gif)
歌舞伎の今をたずねる
2021.02.14(日)
文=清水まり
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