図夢歌舞伎『弥次喜多』に出演する若き歌舞伎俳優、市川染五郎さんと市川團子さんにインタビュー!

 初共演から8年、公私共に仲の良いふたりのヒストリーと歌舞伎にかける想いを、写真たっぷりでお届けします。

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團子さんの“いっくん”呼びに対し染五郎さんは……?

――梵太郎役の市川染五郎さんは金髪、政之助役の市川團子さんは赤髪。おふたりとも図夢歌舞伎『弥次喜多』ではインパクトのあるビジュアルでの登場となりましたが、それはどのように決まっていったのでしょうか。

 染五郎 今回は不良の役で金髪だと聞いていたので、父(松本幸四郎)や床山さんとどんな髪型にするか相談しました。色味にグラデーションをつけて工夫したりしているうちに、指輪とかネックレスをつけたら面白いんじゃないかという話になっていったんです。

 團子 梵太郎が金髪だと聞いたので僕は対照的な色がいいだろうと思いました。BTSのテテさんみたいな青にしたいと思ったんですが照明で色が飛びやすいという話になり、銀だと老役の白髪に見えちゃうかもしれない。いろいろ悩んだ結果、赤になりました。

――赤は『連獅子』などの古典でも使われている色ですね。梵太郎と政之助は真面目なキャラだったはずですが……。

 染五郎 疫病の流行が原因でお家が没落してしまったんです。

 團子 で、一文なしでグレてしまった。

――原作となった舞台『狭き門より入れ』では中尾明慶さんが演じた役でした。ひとつの役をふたりに、というのは梵太郎と政之助だったのですね。それぞれの役づくりについて相談はされましたか。

 染五郎 特にしていないです。

 團子 僕が考える不良といっくんが考える不良とが同じにはならないだろうから、その違いが自然に出ればいいかなと思いました。だからといって敢えて相談しなかった、というほどのことでもないんですけど。

――信頼関係が出来上がっているのですね。團子さんは染五郎さんのことを“いっくん”と呼んでいらっしゃるようですが、染五郎さんは?

 染五郎 ……?

 團子 ねえ、とか? 基本的に名前は呼ばれないんで(笑)。

 染五郎 呼ばない、ですね。ないよね?

 團子 うん。ない。もう、なんでもいいんです。いっくんが自分から話しかけることってあんまりないんで、こうして話ができていること自体がすっごいうれしいって感じです。だからありがとう!

 染五郎 (笑)。

2021.01.09(土)
文=清水まり
撮影=山元茂樹