③他人のどうでもいい話って何でこんなに面白いの?

 関西在住の酒場ライターとしてwebメディアを中心に執筆活動をしている、スズキナオさんによる「無意味系」脱力エッセイ集です。

 言ってしまえば終始どうでもいい話ばかりなのですが、読み進めていくうちに、著者のナオさんってなんだかおっとりとしているんだけど芯が強く、周りの人に気づくか気づかれないかくらいの絶妙な色気を持ち合わせている、すなわち最高な人なのでは? と、妄想が広がっていきます。

 第1章のタイトル「比喩とメールと消えた友達」からいって、しびれませんか? 

 とてつもなくミニマムな話をしているのに、深淵な世界への入口を見せてくれるかのような文章がクセになります。

 特にお気に入りのエッセイは「安心! ポロクラブ」。ぜひご一読を。

『酒ともやしと横になる私』

1300円+税 シカク出版

スズキナオさんTwitter @chimidoro

④相米慎二監督の長回しにうっとりする

 寺山修司や曽根中生などの助監督を経験し、1980年『翔んだカップル」で監督デビューした、相米慎二監督。

 没後20年となる今年、渋谷のユーロスペースに特集上映「没後20年 作家主義 相米慎二~アジアが見た、その映像世界」が開催されています。

 全監督作品13本と、プロデュース作『空がこんなに青いわけがない』が大きなスクリーンで観られる、なかなかないチャンス! 仕事の合間をぬって(サボって?)全作観ようと意気込んでます。

 これぞ相米! という独特の長回しのカットや、少年少女たちの予測不能な動き。ハラハラするような水量。監督の映画って、何度繰り返し観ても衝撃があるし、感動があるし、胸が高まるんですよね。

 みなさんの好きな相米作品は何ですか? ぜひツイートで教えてください。

「没後20年 作家主義 相米慎二~アジアが見た、その映像世界」

会場 渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 3F 渋谷ユーロスペース
期間 2月6日(土)~2月19日(金)
上映時間等の詳細は、イベント公式HPを確認のこと。

⑤ストイックな白い器を探しに行く

 滋賀県・信楽町で作陶を続ける大谷哲也さん。

 即完売してしまい、なかなか手に入らない大谷さんの器や花器などのフルラインナップが揃う「大谷哲也 展」が、FOOD FOR THOUGHT(フードフォーソート)西荻店で開催されます。

 私も、大谷さんファンのひとり。余計なものをとことんそぎ落とした究極にシンプルな器にほれ込み、日々の食卓で愛用中です。

 どうしようもないほどに手をぬいた料理を盛り付けても、大谷さんの持つ器の雰囲気のおかげでどこか凛とした印象になるんですよね。

 気を引き締めてくれる、真っ白な器や花器を探しに行きませんか?

「大谷哲也 展」

会場 東京都杉並区北2-9-15 FOOD FOR THOUGHT 西荻店
期間 2月13日(土)~2月15日(月)
時間 11:00~18:00
※初日の16時までは予約制。
https://foodforthoughtshop.net

Column

週末何しよう? 過ごし方5選

興味あることは沢山あるけど、「To Do List」じゃ重すぎる、スローなウィークエンドにしてほしい。そんなあなたのために、ゆるーい週末の過ごし方ガイドをCREA編集部が5つピックアップしてみました。

もちろん、今週末は部屋でゆっくり寝て過ごしちゃう、なんてのもOK。だって、週末はまた来週もやってくるんだから。

2021.02.11(木)
文=CREA編集部