間違った知識のもと、陥りやすい4つのNG偏食例

(1)たんぱく質の過剰摂取は内臓への負担になる

 
 

 たんぱく質は体内でアミノ酸に分解され、吸収される。その後、筋肉や臓器、肌、髪、爪、体内のホルモンや酵素、免疫物質などを作る素となる。生きていく上で欠かせない栄養素のひとつだが、いくら食べてもいいわけではない。女性が1回に吸収できるたんぱく質は20g程度(牛肉約100~120g程度)という限度があるからだ。

 過剰に摂ると、分解のために内臓に負担がかかるだけでなく、消費しきれない分は脂肪として蓄積されてしまうため、適切な量を摂ろう。

(2)大豆製品は摂り過ぎ注意 発酵した大豆がおすすめ

 
 
 
 

 大豆に含まれるイソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをするため、女性の美容や健康にいいとされている。しかし、大豆の皮は体内で分解されにくいため、たくさん摂取すると内臓への負担が増してしまうなど、注意が必要な面も。

 また、牛乳を豆乳に置き換える女性も多いが、豆は自然界を生き抜くために毒素も蓄えているため、たんぱく質やミネラルの吸収を妨いでしまう。そういう点では、納豆や味噌など発酵食がおすすめ。

(3)「コレステロールゼロ」だからいいわけではない

 健康診断で「コレステロール値が高い」「悪玉コレステロールが多い」と言われてしまうと、人は不安になりがちだ。それを受けて、「コレステロールゼロ」とする健康食品もたくさん存在するが、コレステロール自体は、細胞膜やホルモン、胆汁酸を作る材料となる、必要な脂質のひとつであることを忘れてはならない。

 また、善玉と悪玉にもそれぞれ生命維持に必要な役割がある。問題なのは、食事や生活習慣の乱れによって、血液が流れにくくなった状態だと、コレステロールが血管壁にくっつきやすくなってしまうこと。これが脳梗塞などを引き起こす原因になるのだ。安易に「コレステロールゼロ」に頼る前に、まずは、血液の状態をよくするための食や生活改善を心がけるようにしよう。

(4)「〇〇フリー」の落とし穴 代わりに入っているものは?

 
 

「グルテンフリー」「シュガーフリー」「ファットフリー」など、“○○フリー”とうたった食品がある。健康にいいと思いがちだが、ある要素をフリーにする代わりに、別のものが穴埋めに用いられていることが多い。グルテンフリーならレクチン、シュガーフリーなら人工甘味料、ファットフリーなら糖分を加えることで、食べやすさを保っている場合も多いのだ。

 “○○フリー”に流されず、どんな材料が使われているかしっかり確認しよう。

2021.01.10(日)
Text=Akiko Yoshikawa
Photographs=Atsushi Hashimoto,iStock