酒場というと“せんべろ”をイメージしがちですが、安くてうまいが一番ではないんです。
酒場の究極の魅力は“人”。特に古い個人経営の酒場は、大将や女将さん、集まるお客さんにも強烈なカラーがあって面白い。
いつかは行ってみたい名酒場を、酒場ライターのパリッコさんに教えていただきました。
おふくろの味から 先鋭的な創作料理まで登場!
●根津「おふくろの味 木曽路」

女将の富美子さんと息子の行雄さんの親子ふたりで切り盛り。カウンターに並ぶ大皿には富美子さん作のお惣菜と、洋風居酒屋を営んでいた行雄さんが作る創作料理が盛られている。


「今年で創業50年。女将は御年89歳ですが現役で、料理は穏やかで優しく、究極に心身が癒やされる味わい。戦地に向かう青年の出身地から店名をとったという、泣けるエピソードを聞きながら飲めるすごい酒場。
カウンターや壁に時間が染みているようなお店です」(パリッコさん)


おふくろの味 木曽路
所在地 東京都文京区根津2-27-9
電話番号 03-3821-9810
営業時間 18:00~24:00
定休日 日・月曜
※価格はすべて税込み
パリッコ
酒場ライター・漫画家。酒場好きが高じて会社員から酒場ライターに転身。未知の大衆酒場、ちょっと怪しいとされる店にも果敢に訪れ、心のオアシスを発掘。酒場愛に溢れた文章やイラストは、吞兵衛の心をわしづかむ。酒カルチャー雑誌「酒場人」監修。著書に『酒場っ子』(スタンド・ブックス)ほか。
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人情あふれる
古きよき酒場入門
2020.08.09(日)
Text=Kaori Minetsuki
Photographs=Taro Terasawa
CREA 2020年6・7月合併号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。