無観客で迎えたプロ野球 客席にマネキンが!?
Q5. 生活必需品で足りないものはありますか?
政府管理とはなっているマスクは今、2週間でひとり9枚まで購入可能。
とはいえ、潤沢に手に入れられるわけではないので、需要の高いアルコール消毒液とともに一番困るアイテムです。
そのほか足りずに困るものは、現状ではありません。
Q6. 外出自粛によるストレス、不安の解消法は?
これも台湾ではこもりっきりになる事態が起きてないので何とも言えないですが、もし台湾でそうなったら、規則を守らずに外に出てしまう人も少なからず出てくると思います。
ただ、この場合には外出したら罰金というルールも生まれると思うので、かなりの封じ込めによる効果は高いと思います。
現に、14日間自宅隔離措置の対象者が外出した場合は、多額の罰金が科されます。GPSで警察が管理しているのですぐに判明。
もし外出禁止となった場合、台湾の人にとってのストレス解消はネットでの買い物になるのではないでしょうか?
すでにフードデリバリーの売り上げが相当上がっていて、ホテルもレストラン利用客が見込めないことから、特別なテイクアウト商品を販売するなどで対応しています。
Q7. ウェブサイトやSNSの新たな活用法は?
Q6でも説明しましたが、フードデリバリーはかなり利用されています。
それ以外では、知り合いの台湾人が今、人とのコミュニケーションが一番不足しているというので、それを解消するコミュニケーションツールが結構人気だそうです。
Tinderという、世界中のかたとコミュニケーションが取れるアプリのパスポート機能が4月末まで無料らしく、多くの人が使い始めていると聞きました。
また夜店直播秀(踊るほうのクラブ)のFacebookがあるらしく、有料会員になれば、映像を見ながら自宅で一緒にダンスを楽しめると人気らしいです。
どんな内容か? 見ていないのでわかりませんが、ぜひご確認を(笑)。
Q8. 日々の暮らしで心がけていることは?
マスクを必ずつけて外出すること。
つけていないと、もはや公共交通機関を利用できませんし、近所でも「なんでマスクしていないんだ?」という目で見られます。
欧米の人はマスクをつける習慣がないようですね。台湾では最初ほとんどの欧米人がマスクをせずに外出していましたが、今ではみんなマスクをつけています。
個人的には人の集まるところには行かないことにしているので、外食はほぼしていません。
※ちなみに鶏肉飯は、CREA編集部に提案したのですがCREA5月号台湾特集に採用されなかったもの。提案しつつも食べたことがなかったので外食を自粛するなか訪れたところ……。よくある台湾の鶏肉飯とは見た目が違ってやや武骨でしたが、おいしかった。魚のつみれスープのつみれがはんぺんみたいにふわふわで、ポイントが高い。意外な良い店を発見。いつかご紹介します!
Q9. ふさぎこみがちな昨今、心温まる話があればぜひ!
2月初旬に日本のダイヤモンド・プリンセス号での集団感染が大きく報道されたとき、まだ世界的にも感染が拡大していなかったことで「日本人に近づくと感染する」との風評があった時期がありましたよね。
タクシーの乗車や、レストランの予約を拒否されたことも。
ただ台湾の多くの人は「今、日本は大変だけれど一緒に頑張りましょう」と声をかけてくれました。
今までの人生で、初めて日本人であることで差別される経験をしましたが、一方で、人の心の温かさってこういうことなんだなって、痛感しました。
あと、笑えるネタをひとつ。
日本はあらゆるスポーツの開催が中止になっていますが、台湾のプロ野球は無観客で開幕。
そのとき、今年新たに発足した楽天がオーナーのチーム「楽天モンキーズ」がマネキンやロボットの応援団を用意して観客席に設置。
応援する姿を見て、思わず笑ってしまいました。
先日は無観客のなかで野球選手同士が乱闘することも。今、台湾プロ野球に若干はまっています。
Q10. CREA WEB読者にメッセージをぜひ!
感染を防ぐためには一人ひとりが自覚を持って、誰もが違反をすることなく、基本ルールを守ることだと思います。
台湾では早めに感染者の入国を抑えることなどができたので大きな感染拡大には至らなかったのが不幸中の幸いですが、今の日本の現状を見る限りでは「3密を避ける」ことを厳守して、とにかく我慢するしかないかと。
感染が広がっていない台湾では、外部からの入国者をいつ解禁するか? が次のポイントになります。
どの国を許可するか? を考えた場合、日本は比較的安心して許可される国のひとつであろうと思います(そうあって欲しい! と個人的な希望)。だから、逆に日本での感染がこれ以上広がらないことを祈っています。
世界中をなかなか自由に行き来できなくても、日本と台湾は早く往来できるようになって欲しい。
私をはじめ、台湾も頑張りますので、日本のみなさんにもぜひ頑張ってもらいたいと願います。
※記事の内容は2020年4月21日(火)現在のもの。制度や現況の内容は一部であり、各自治体、エリアなどによって異なることもあります。
新型コロナの知らなかったこと
世界各国からリアルな現地ルポ
2020.04.30(木)
文・撮影=矢作晃之
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