最近ではアメリカ人も マスクを着用する

 新型コロナウイルスの影響で、世界中が「#stayhome」の日々を送っています。

 日本よりも長く自宅にこもる、海外のかたがた。休業補償やたまるストレス……。その暮らしぶりは?

 2020年3月22日(日)、アメリカ・ニューヨーク州はロックダウン(自宅待機令)を発令。

 そこに在住するライター黒部エリさんに、今の暮らしぶりについてアンケート形式で答えていただきました。

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Q1. お住まいの場所を教えてください。

 アメリカのニューヨークです。東京からニューヨークへは直行便で約14時間、マイナス13時間(夏時間)の時差になります。

 住んでいる場所は、周囲にファミリー層の多い住宅街です。

Q2. 外出できる条件や頻度など規制ルールは?

 以前から、自主的なソーシャル・ディスタンシング(人との距離を約180センチ置く)は呼びかけられていましたが、3月22日(日)からアンドリュー・マーク・クオモ州知事の発令によりニューヨーク州全域がロックダウンされました。

 暮らしの維持に必要なエッセンシャルワーカー以外は、全員が自宅待機。企業は社員100%を自宅でリモートワークさせています。

 食料品や生活必需品の買い出し以外は、自宅にいることが原則ですが、犬の散歩、健康のための散歩などは許されています。

 ただし1箇所で密接してプレイするバスケットボールなどは許されていません。児童のためのプレイグラウンドも立ち入り禁止です。

 子供のための遊び場も立ち入り禁止です。

Q3. 仕事の環境や休業補償は?

 ニューヨークでは、企業での自宅リモートワークが100%義務づけられているので、エッセンシャルワーカー以外の出勤はありません。

 私自身はライター、エディターとして、もともと日本の出版社の仕事をリモートワークで受けているのであまり変化はありませんが、取材や撮影はできなくなりました。

 失業保険を申請している人にはすでに支給が入り、また経済対策法案として大人ひとり1,200ドル(約12万8,050円)の補償も給付が開始されています。

Q4. 生活必需品で足りないものはありますか?

 除菌商品は、備蓄しておいたものがありますが、サニタイザーや除菌ワイパー、マスクは売っていません。

 しかし、もともとアメリカ人にはマスクをする習慣がなかったので、店舗では見つからず、私は個人的にオーダーしています。

 ロックダウン以降、アメリカ人も急にマスクをつけるようになり、現在ではマスク、あるいは代用品の着用を呼びかけられているので、バンダナやスカーフを巻いている人たちも目につきます。

Q5. 外出自粛によるストレス、不安の解消法は?

 子どものいる家庭では、自宅学習を完璧にこなすのが難しいという問題があるようです。課題や宿題がかなり多くて、見てあげる親が大変な様子。

 なお、ニューヨーク市では学校は9月まで閉鎖となっています。

 また家庭内に問題があると、それが顕在化しやすいので、家庭内暴力の問題も増えているようです。

 自由が制限されて毎日こもっていること、先が見えないこと、感染による死亡者の多いニュースで、心がウツウツとしてくるもの。

 私自身は、たまに友人とビデオ会議アプリZoomでチャットをしたり、ひとりで公園に散歩に行ったりしています。

 あと、こういう危機的状況になると、メンタルが強い人と、弱い人の差がかなりはっきり出るな、と感じられました。

 意外と弱いのが、ふだんはバリバリやっていている、完璧主義の人。いったん自分でコントロールできない事態になると、ものすごくストレスが溜まるようです。

 一方、もともと緩くいられる人は、それほどストレスなく過ごせているように見受けられます。ネガティブにならない心のありようが大切かなと思います。

2020.05.02(土)
文=黒部エリ