ゼロからキャラを作り上げた
初主演映画『ホームステイ』

――さらに、森絵都の小説『カラフル』が原作である映画『ホームステイ ボクと僕の100日間』初主演が決定し、新たなステップとなりました。『バッド・ジーニアス』のイメージを払拭したい気持ちはありましたか?

 役者とは、自分が役に合うように調節するのが仕事ですので、『ホームステイ』で気弱な主人公を演じることだけで、御曹司のイメージを払拭したいという気持ちは、特にありませんでした。ただ、与えられた新しいチャンスに、芝居で応えるだけ。

 どの作品にも自分らしさが含まれていて、その要素を引き出し、役を演じていますが、あえて言うなら『バッド・ジーニアス』のキャラがいちばん自分に近いかもしれません(笑)。

――『ホームステイ』撮影中で、いちばん苦労されたことは?

 物語の設定上、複数のキャラクターの感情表現をしなければならなかったことや内面的な芝居をしたことです。特にお手本になるものがありませんでした。

 『カラフル』の日本アニメ版も観ましたが、監督から「タイの文化に置き換えた作品なので、そこはこだわらずに演じてほしい」と言われました。

 また、CGとの合成のため、グリーンバックの前で初めて芝居をしたことも大変でした。

――それでは、今後の展望や目標を教えてください。

 「NINE BY NINE」で共演したメンバーを中心とした4人組ヴォーカル&ダンスユニット「TRINITY」を結成して、おととい初ライヴをしたばかりなんです。

 今は俳優業を休んでも、このユニットを成功させて、タイポップ(T-POP)を流行させたい。

 もっと歌とダンスを頑張って、より大きな会場でパフォーマンスをするのが目標です。

2019.10.04(金)
文=くれい響
撮影=深野未来