まるでテーラーのような入口!
サプライズが詰まった焼菓子店

 台北松山空港にほど近い富錦街は、センスの良い店が集まる注目のエリア。

 ここに2017年夏にオープンしたのが「but. we love butter」(バット・ウィー・ラブ・バター)。

 フランスのブルターニュ地方の焼菓子であるガレット・ブルトンヌ(厚焼きサブレ)の専門店で、台湾らしさを追ったパイナップル餡入りや鉄観音茶味なども販売されています。

 店に入ると、まずは驚かされるのが入口の部屋。

 英国式テーラーのような造りで、スーツやネクタイが並び、イギリスのラジオ放送まで流れているという凝りようです。

 さらに奥の扉を開けると、4つのフィッティングルームが現れます。

 その中の1つの扉を開けてみます。すると、目に飛び込んできたのは男性の後ろ姿(マネキンです)!!

 そのドッキリな仕掛けには思わず声をあげてしまうことでしょう。

 スタッフの方によれば、「ここを訪れる誰もが笑顔になれるような店にしたかった」とのこと。その気合いの入りように圧倒されます。

 そして、最後の扉を開けると、一転して明るくスタイリッシュな空間が現れます。

 ここが焼菓子の販売コーナーで、座りながらハーフサイズの試食用ガレット・ブルトンヌが味わえます。

 現在、ここで販売しているのは5種類。そして、毎日1種類を試食用に提供。不定期で新商品が登場します。

 もちろん、焼菓子そのものにも徹底したこだわりがあります。原材料には台中産の蜂蜜、嘉義産の海塩など、厳選した素材を使用。

 さらに、フランスからはエシレバターを空輸しています。

 注文が多い時にはバターの仕入れが間に合わないこともあるそうです。その人気ぶりがうかがえますね(事前にメールで取り置きをお願いすることは可能)。

 パッケージにも凝っており、なんと、5種類のガレットにそれぞれ3種類の包装紙が用意されています。

 パイナップル畑やネオンが光る街、漢字練習帳をイメージしたものなど、個性溢れるデザインとなっています。

 内装からパッケージ、サービスに至るまで、ワクワクとドキドキが連続する「but. we love butter」。

 美味しい焼菓子を食べながら台湾の人たちの豊かなクリエイティビティに触れてみてはいかがでしょうか。

2019.06.12(水)
文・撮影=片倉真理