ネコクッキーにカオクッキー
食べづらくなるほどの可愛さ!

 イトウユカさんが作るお菓子をご紹介しましょう。

 お店は金曜・土曜だけのオープン。通販でも買うことができます。

「バターは香りがよいカルピスバター。低温で焼くと、より香り立つんです。黒色はブラックココア、紫色は紫芋パウダー、黄色はカボチャパウダー、茶色はココアで色付け。はっきりした色に仕上げたいので、ピンクと緑は着色料を使っています。焦げ色が付かないよう、135℃の低温で30分以上かけてゆっくり焼き上げているんです」

 まずは、金太郎飴のようにして作られているクッキー。2011年には、そのレシピ本『絵柄入りでつくるアイスボックスクッキー』も出版されています。

 「1枚食べて満足してもらえるようなしっかりした味にしています」とイトウさん。

 「ネコのクッキー」は、7種類。色や形だけでなく、目や鼻の色の違いで、ひとつひとつ微妙に違うのが楽しい。どれを買おうか迷ってしまいます。

 食べるのがかわいそうなくらい、愛らしいクッキー。ネコ好きにプレゼントしたくなる。

 食べると、上品な甘さとバターの豊かな香りで、1つで大満足。帽子やリボン、小さなメッセージのフキダシが付いているのも楽しい。

 「ブサネコ」は、3種類。出合ったら、思わず吹き出してしまう不細工なネコに、にっこり。もちろん、食べるととってもおいしい。

 カラフルな「リボン」や「雲」とセットでプレゼントしたい。

 「カオクッキー」は、まさに1点物。メガネや文字はラングドシャ生地で仕上げているのだとか。

 イトウさんは、次々にデザインを変えるそうで、2つと同じ物に出合うことはありません。食べずに取っておきたくなります。

 「洋服とか、帽子とか、色々作って、着せ替えできるようにしたいと思っています」とイトウさんは微笑みます。

 「パターンクッキー」は、JAGDA新人賞を受賞したデザイナー・白本由佳さんがデザイン。箱も中身も美しくて楽しいクッキーです。幾何学模様がオシャレ。

 「三角クッキー」は、色々なクッキーを作る時に出る端っこを活用。味もちょっとずつ違います。紅茶はもちろん、コーヒー、日本茶にも合うカラフルなクッキー。ついつい食べ過ぎてしまいそう。

 「カップシフォン」は、紙コップを斜めに破ると、顔が出てきたり、水玉模様が現れたりします。子供達が大喜びするでしょう。食べやすいサイズも魅力。

 「シフォンケーキは、クリームなしでも食べやすいよう、工夫しました」とイトウさん。レモン果汁を入れたさわやかな風味と、しっとりした食感が特徴です。

 「素朴なのも、流行のオシャレな感じにも憧れますが、楽しいお菓子が好き。私のお菓子で普通の日が楽しくなるとうれしいですね」とイトウさん。

 もっともっと楽しいお菓子が次々に生まれそうです。

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所在地 兵庫県芦屋市茶屋之町6-14 
電話番号 0797-31-2023
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宗田洋子(そおだ よおこ)

ライター。神戸生まれの神戸育ち。神戸を離れたことがない神戸っ子。ライター歴30年以上で、関西の雑誌の取材だけでなく全国誌でも関西取材を手がけ、老舗から新店まで回ったお店は数知れず。移り変わる街を見続けてきた。食いしん坊で飲んべえ。

Column

そおだよおこの関西おいしい、おやつ紀行

生まれも育ちも神戸の生粋の神戸っ子で、長年の関西での取材経験からおいしいお店を知り尽くしている、ライターのそおだよおこさんが、関西の「今、食べてほしい!」というおやつを紹介します。

2019.05.12(日)
文=そおだよおこ
撮影=坂上正治