高級住宅街として知られる芦屋で、かわいいクッキーのお店「efuca.(エフカ)」を見つけました。
古くから芦屋に住む人々が親しみを込めて「三八通り商店街」と呼ぶ通りにあります。
昭和3年8月にできたところから、かつては「三八商店街」と呼ばれて夏季の毎月3と8の日に特価販売の夜店でにぎわったのだそう。
阪神淡路大震災で大半が全壊し、現在は、通りの様子もすっかり変わっています。
「efuca.」は、黒いテントと外観が目印。お店に入ると、そこは、まるでおとぎの国。
パラソルやカップボード、古いオーブンが置かれ、天井からは、スプーンやフォーク、鍋やポット、調理道具などの楽しい照明が下がっています。
テーブルや棚にはカラフルなクッキーや焼き菓子が並びます。
お菓子作家で絵本作家でもあるイトウユカさん手作りのクッキーや焼き菓子のお店は、入っただけで、不思議な夢の世界に迷い込んだよう。
お店の一角に並んでいるのは、イトウさんの絵本『さがそ!~おかしのくに~』の原菓。原画ではなく原菓です!
2013年の1冊目に続いて、2014年に『さがそ!~おかしのくに ゆうえんち~』、2016年に『さがそ!~おかしのくに せかいりょこう~』と、3冊が出版されており、そのお菓子でできた原菓を間近に見ることができます。
すごいのは、すべてが実際に食べられるお菓子でできていること。その細かさにびっくり!
「全部で39点あるうちの22点を置いています。1つの原菓は、お菓子なので急いで2週間で仕上げます。パーツを並べるだけで3日かかるものもあるんですよ。細かい部分はピンセットを使っています」とイトウさんはにっこり。
3冊目「せかいりょこう」のフランスをイメージして作った原菓では、様々なケーキやマカロン、バゲットなどのパンのパーツがぎっしり。小さな子供だけでなく、大人もそれぞれを見つけて楽しむことができます。
細部まで楽しめる、お菓子でできた絵本。全部手に入れて、じっくり見たくなります。
2019.05.12(日)
文=そおだよおこ
撮影=坂上正治