帰り道、写欲を刺激するネコに遭遇
クロにも会えたし、思いがけずキジまでいたし、さて帰るか、と思ったその時。
!
息をひそめて近づいてみた。
ノラさんかしら
全然動かない
のび~
うわー! たまらん!!
目の前でこんな動きされたら、がぜん、撮影欲求が……ッ!
「ほらほらお撮りなさい」
「遠慮しなくていいのよ」
なんという撮りやすさ。
ネコモデルの素質バツグン。
動物写真家の気持ちが初めてわかった気がする。
ネコ写真にハマるのって、こういうことなのかも。
ネコが寝ころんだ!
見飽きない……。
たのしすぎる。かわいすぎる。
ごろんごろーん
遠くから、「シロー」と呼ぶ声がした。
シロっていうのか。白いから。
「じゃあねーバイバイ」
どこ行くんだろ。
ノラじゃなかったのね。
あ、入っていった
水道修理屋さんのネコさんでした。
写真いっぱい撮らせてくれてありがとう。
さ、ほんとに帰ろう。
今日はもふもふネコ三昧だった。堪能した。
帰り道、また八穂昭の前を通るので、従業員のみなさんとクロにあいさつしようと思ったら……。
クロがいた場所に、きぬさやがon!
さっきまでたしかにいたのに
「今日は並べる野菜いっぱいあるから、クロにどいてもらったんだわ!」
と、水落昭次郎社長。
そりゃそうだ。かなりいい場所にいたもんねぇ、クロ。
家の裏に行っちゃったみたい。
「ほれ、お姉さんこれ持ってって」
太巻きもらった!
「ネコで太巻きを釣る」とはこのことか。
ありがとうございます。
おいしくいただきました。
しかし商店街はたのしいなぁ。みんないい人だし、ネコも犬もいるし。
今日会ったネコは、クロ、キジ、シロ。
みんな毛の色・柄が名前だった。
さて、次回はどこへ行こうかな。
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【キジがいるお店】
ふぢや米店
住所 東京都渋谷区本町6-38-3
勤務時間 だいたいいる

梅津有希子 (うめつ ゆきこ)
編集者・ライター。1976年北海道生まれ。ヤマハ勤務の後、FMラジオ局、編集プロダクションなどを経て、2005年に独立。女性誌や単行本、webを中心に、ペット、料理、美容など幅広いジャンルで活動中。『CREA Cat』『CREA Dog』を毎号担当するほか、別冊マーガレットの『青空エール』(集英社/河原和音)の監修も務める。著書に『吾輩は看板猫である』『吾輩は看板猫である 東京下町篇』(文藝春秋)、『We are ブサかわねこ』(角川書店)、『終電ごはん』(幻冬舎)がある。
公式サイト:umetsuyukiko.com Twitter:@y_umetsu
Column
梅津有希子の商店街ネコ探訪
大人気のネコフォトブック『吾輩は看板猫である』、そしてその第2弾の『吾輩は看板猫である 東京下町篇』の著者、梅津有希子さんが、看板猫を探して、今度は商店街を巡ります。
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