ジャズバーのセットの雰囲気は最高
2012年の韓国と中国でのデビュー以来、EXOの音楽はかなり緻密にコンセプチュアルにつくられてきた。グループ名のモチーフは、太陽系外惑星を意味するExoplanet。
楽曲はもちろん、ミュージックビデオやライブ演出にいたるまで、宇宙や自然、神話などのモチーフが用いられ、ときに謎かけのようなつくりになっていたりする。今回のツアータイトル「The EℓyXiOn」も、ギリシア神話に登場する楽園「Elysion」が語源だという。
「ここは僕たちとみなさんの楽園です。みなさんはこの楽園の証人です」
リーダーのスホがこう説明したように、メンバーは、ステージに象徴的に現れる「白い扉」で外界とステージを行き来しながら、観客にさまざまな“楽園”を見せていく。
大ヒット曲を大胆にアレンジした「Growl」での群舞、グループ内ユニットEXO-CBXの「Ka-CHING!」では終盤、他メンバーが加わるサプライズも。一つ一つは熱のこもったライブステージだが、全体としては華麗なショーになっているという仕掛けだ。
EXOの魅力の一つに、個性溢れるメンバーの息の合った掛け合いがある。それを堪能できるのが、クラシックなジャズバーのセットで展開されるパートだ。
グレーのスリーピースに身を包み、客に扮したメンバーが、ひとり、またひとりと店に入ってくる。カクテルを飲み、トランプに興じる彼らが突然歌い踊りだすという、まるでミュージカルのような楽しさなのだ。合間に挟まれる気の利いたアドリブに、なんとも言えない雰囲気の良さはEXOの真骨頂だろう。
2018.02.07(水)
文=CREA編集部