●ふーみん(東京・南青山)

五目かけご飯 1,150円(ランチ)、1,550円(ディナー)。

毎日でも食べたい!
野菜が主役の中華丼

 中華丼のおいしさを決めるのは「あんかけのとろみ」だという藤崎さん。「中華丼は数人でシェアされることも多い料理。そこで、小皿にわけたとき野菜が均一にいきわたらなかったり、とろみ加減がまばらだったりすることがある」。その点、ここの中華丼のとろみはどこをすくってもまろやかで、一枚布のように安定感があるとか。「さらに、新鮮な野菜たっぷりのヘルシーな中華丼は、女性にうれしいですね」と藤崎さん。

シャキシャキ野菜の秘密

この火力と鍋使いはプロならでは。

 野菜本来の味とシャキシャキした食感を出すため、中華料理の手順では欠かせない野菜の油通しをこちらではあえてしない。一方、肉やシーフード類はさっと油をくぐらせ旨みを閉じ込める。強い火力で野菜を手早く炒めたら、鶏、豚骨、ネギなどの香味野菜からじっくりとったオリジナルスープで煮込む。そこに肉とシーフードを加え、マイルドなあんかけに。強い火力と熟練の技が送り出す、野菜が主役の中華だ。

大きなガラス窓が配され、地下とは思えない開放的な店内。

 47年前に、“ふーみんママ”の愛称で親しまれている斎風瑞さんがキラー通りにお店を構えたのがはじまり。以来、数回の移転を経て、ここ南青山に店を構えて早32年。場所柄、美容師やスタイリスト、セレクトショップの店員から芸能人まで、感度の高い人も訪れることから“おしゃれな町の中華屋”として愛されている。

▼聡子の「眼」

野菜の旨み引き立つあんかけと
レモンサワーの酸味が好相性

レモンサワー 750円。

 ここの中華丼のポテンシャルを最大限にいかすのは、生搾りのレモンサワー。ほどよいとろみのあんかけにすっきりとした喉越しが心地よく、レモンの酸味が野菜の旨みをさらに引き立てます。胃もたれしない食後感は感服ものですね。おかげで、サイドメニューも頼んでしまうのだけど(笑)。

“中華丼道”について語らう白井料理長と藤崎さん。表参道界隈で打ち合わせがあると、ついつい立ち寄ってしまうそう。

ふーみん
所在地 東京都港区南青山5-7-17 小原流会館B1F
電話番号 03-3498-4466
営業時間 11:30~16:30(L.O. 16:00)/18:00~22:00(L.O.21:30)、土曜 17:30~21:30(L.O.21:00)
定休日 日曜、祝日、第1月曜

2017.12.30(土)
文=吉村セイラ
撮影=平松市聖