銀座6丁目からはじまる
新時代のラグジュアリー

屋上庭園付きの、地下6階~13階建て。銀座中央通り沿いを含む2街区を一体として構成された巨大な佇まいは、まさに「シンボル」と呼ぶにふさわしい存在感。

 2017年春、華やかな銀座の街に、新たなシンボルが加わった。4月20日、銀座6丁目にオープンした大型複合商業施設「GINZA SIX(ギンザ シックス)」。

 銀座の歴史上、最大かつ圧倒的なスケールの大規模再開発を経て誕生した同施設には、旗艦店121店舗、日本初12店舗、世界最大級4店舗、日本最大級35店舗を含む、注目の241店舗が揃うほか、屋上庭園、観世能楽堂、オフィス、ツーリストサービスセンター、パブリックアートなど、商業施設の概念を超越した清新なサービスが満載だ。

銀座中央通りに面した全長約115メートルのエリアには、「ディオール」や「セリーヌ」など、世界が誇る6つのラグジュアリーブランドの旗艦店が勢揃い。

 訪れる人の五感を満たすことはもちろん、それ以上の新たな価値観を提供したいというコンセプトのもと、5ツ星を超える「6ツ星級」のサービスを目指す同施設には、ここでしか出会うことのできない、プレミアム感あふれるオリジナルアイテムが充実。

屋上庭園の中央には涼やかな水盤が。水を抜くことで、平面利用も可能となり、イベント等にも活用することができる。
6階にある、アートブックをメインに取り揃えた「銀座 蔦屋書店」では、オープニングイベントとして、蜷川実花、名和晃平、杉本博司の3作家によるグループ展「Sensible Garden 感覚の庭」を開催中(2017年5月31日まで)。

 国内外から集結した老舗や人気の名店も、出店に際して、定番商品のブラッシュアップや新商品の開発に挑むなど、施設と店舗がお互いの知恵とパワーを出し合い、新しい銀座の楽しみ方をクリエーションするように努めてきた。

 そうした熱いエネルギーを追い風として、「GINZA SIX」というスタイリッシュで巨大な箱舟は、新時代のラグジュアリーの象徴として力強く前進していくはずだ。一人一人の感性に寄り添うおもてなしを――。大勢の人々で賑わう6丁目の風景に、心躍る未来の銀座の1ページを垣間見た。

「商業空間×アート」の
革新的なコラボレーション

森美術館が監修するパブリックアート(中央吹き抜け空間のアート)は、不定期で入れ替わるのも楽しみのひとつ。

 施設内に足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのが、中央吹き抜け空間にいくつも吊り下がったドット柄の巨大アート。これは「GINZA SIX」のオープンに際して、世界のアートシーンで活躍する前衛芸術家、草間彌生さんが製作した新作インスタレーション「南瓜」で、2018年2月25日までの期間限定で展示される。

 「アート」を空間デザインのひとつのテーマに掲げる同施設では、今後も才能豊かなアーティストやクリエイターとコラボレーションしながら、訪れる人々の感性を刺激するアートプログラムを実施していく予定だ。

4階には、2017年5月16日までの期間限定で草間彌生さんのPOP UPストアもオープン。

 ほかにも、施設内の随所にアートのエッセンスをちりばめる。ショッピングの途中、思わぬ場所でアート作品に出合うというこれまでにない体験は、大いに五感を刺激してくれるはずだ。

2階から5階の各エレベーターホールには、現代美術作家の大巻伸嗣さんが手がけた全4種類の彫刻アートが。江戸小紋の朝顔、桔梗、菊、蝶といった文様をレイヤーで組み合わせた、粋で愛らしいデザイン。

2017.05.03(水)
文=中山理佐
撮影=釜谷洋史