最新テクノロジーを導入した
新時代の能楽堂

舞台上にある目付柱を取りはずすことで、演劇やファッションショー、学術会議など、能楽以外のさまざまなイベント開催が可能に。また、災害時には帰宅困難者の一時滞在スペースとして活用される。

 地下3階には、能楽界を代表する「観世流」の拠点としての役割も担う、文化・交流施設「観世能楽堂」が。

 480ある座席は、広々として座り心地の良い設えで、バリアフリーや海外顧客向けの多言語システムなども導入。今後は、仕事帰りにも気軽に来場できるように、平日には従来の能公演よりも開演時間を遅らせた催しも企画されるという。

 複合商業施設内で、伝統芸能を鑑賞できるとは、なんとも贅沢! 海外からの旅行者に、日本文化の魅力を伝える新名所にもなりそうだ。

銀座の空に浮かぶ
美しい緑のガーデン広場

「日本の四季」をテーマにした屋上庭園は、都会にいることを忘れてしまうほどの、美しい緑と安らぎに溢れている。銀座を訪れる多くの訪日外国人客にも好評となりそうだ。

 銀座エリア最大となる、約4000平米の屋上庭園「GINZA SIXガーデン」は、自然に親しむ近世江戸の庭園文化と、街の賑わいを楽しむ西欧の広場文化を融合した、人々の憩いと交流のためのガーデン広場。

 サクラやカエデ、マツなど日本ならではの、四季の移ろいを感じることができる樹種にこだわり、20種類以上の多様性のある在来種を採用。都会の喧騒から切り離された、自然美に溢れるリラクゼーション空間は、「銀座のオアシス」として、心身に安らぎを与えてくれるだろう。

人とのつながりを感じる
サロンのようなラウンジ

シックで趣のある空間をデザインしたのは、現代美術作家の杉本博司さんと、建築家の榊田倫之さんが主宰する「新素材研究所」。日本文化の中で培われてきた素材や工法を、現代的にアレンジして取り入れている。
まるでホテルのスイートルームのようなラグジュアリーなラウンジは、座り心地を意識し、ソファデザインにもこだわった、おもてなしの心に満ちた空間。
ラウンジ内には、現代美術作家の杉本博司さんの写真作品を展示するアートスペースも。

 5階にある「GINZA SIX」のメンバーシップラウンジ「LOUNGE SIX」は、会員資格を得た上顧客のみがアクセスできるスペシャルな空間。

 中では、オリジナルフード&ドリンクメニューの提供、有料予約制のパーソナルスタイリング、体験型のカルチャープログラムなど、商業施設としては珍しい、店舗と人との親密なつながりを感じる、おもてなしに満ちたサービスを受けることができる(メンバーシップ会員の詳細はHPにて)。

GINZA SIX
所在地 東京都中央区銀座6-10-1
営業時間 ショップ・カフェ 10:30~20:30/レストラン 11:00~23:30
※ツーリストサービスセンターほか、一部営業時間が異なる。
休館日 不定休
http://ginza6.tokyo/

2017.05.03(水)
文=中山理佐
撮影=釜谷洋史