男子が使っても不自然じゃない
ナチュラルメイクを提唱
そこで登場したのが、女子と男子がシェアする化粧品。女物でも男物でもない、ユニセックスとも言わない、とても自然に女と男が同じものを使うのがシェアコスメ。
何よりも、注目したいのは、ベアミネラルが全く新しいメイクアップのシェアコスメを発表したこと。ジェンヌードという新しいヌードカラーは、まさに男子が使っても決して不自然ではないナチュラルメイクを提唱。男子のメイクも十分意識したべアプロのパウダーファンデーションは、12時間きれいな素肌感が続くもの。常に1歩2歩先を行く時代の気分をいち早く形にしてきたベアミネラルのこうしたコスメ提案は、美容の世界を大きく変えてしまうはず。
また一方、メンズコスメにこれまでも積極的だったアルマーニが提案した“フォーヒム & フォー ハー”と銘打ったリップケアも、男と女でシェアする色付きリップバーム。なるほど男だってほんのり血色ある唇を持っていたいはず。これはもうとても当たり前に、夫婦で恋人同士でシェアできるはず。
ちなみに、 たまたま街で見かけた美しい男が、グラディエーターサンダルに黒いペディキュアをしていた。なんだか素敵!と思った。こういう風にセンスよく男が美容してくれるのは楽しいかも。まさにそんな時代になったのである。私たち女もうかうかしてられないのだ。
齋藤薫 Kaoru Saito
女性誌編集者を経て美容ジャーナリスト/エッセイストに。女性誌において多数のエッセイ連載を持つほか、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『人を幸せにする美人のつくり方』(講談社)、『大人になるほど愛される女は、こう生きる』(講談社)、『Theコンプレックス』(中央公論新社)、『なぜ、A型がいちばん美人なのか?』(マガジンハウス)など、著書多数。
Column
齋藤 薫 “風の時代”の美容学
美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍する、美容ジャーナリスト・齋藤薫が「今月注目する“アイテム”と“ブランド”」。
2017.02.26(日)
文=齋藤 薫
撮影=吉澤康夫
写真=文藝春秋