さまざまな地域のカルチャーを取り入れながら
進化中のハワイスタイル
今回のショーを通して感じたことは、これまでの伝統的なハワイアンファッションが、モダンな要素をふまえ、現代的に進化しているという点だ。例えば、これまで鮮やかかつ大胆に用いられてきたレフアやハイビスカス柄を、落ち着いたカラーとデザインにアレンジして取り入れていたり、服のシルエットもスリムでメリハリのあるラインが目立つ。
ホノルルのデザイナー、ジェフリー・ヨシダ氏のステージでは、トレンドのオフショルダーに女性らしい曲線美を際立たせるシルエットを取り入れた、新感覚のハワイアンスタイルも注目を浴びた。
この変化について、「ここ5~6年のあいだに、ハワイのファッションは急速に進化してきました。近年では、ニューヨークや西海岸など、アメリカ本土の個性的でおしゃれなスタイルに影響を受けた、モードな雰囲気のデザイン・ブランドが増えた印象です」と語るのは、ホノルルでアーティストやデザイナーのサポートを行っている、コーディネーターのユリコ・ガルラさん(以下、ユリコさん)。
ハワイのファッション事情に精通する彼女とともに、最新トレンドを肌で感じるべく、街へと繰り出すことにした。
ホノルル在住7年目を迎えたユリコさん。おしゃれに敏感な彼女が、この日着ていたデザインタンクトップは、現地の大人女子に人気だという「アヴァ・スカイ」のもの。
ハワイの美景を身につける!
夫婦愛が生み出したアートジュエリー
まず向かったのは、アラモアナセンターから歩いて5分ほどの距離にある「ワード・ウェアハウス」。個性的なショップが並ぶ建物の2階に、アトリエ「レーン ‐ タナー・デザイン」を構えるジュエリーデザイナーのモーガン・レーン - タナーさんの作品が、いま注目を集めている。
夫でフォトグラファーのジョシュ・アスターン氏が撮影したハワイの風景の美しさに感動し、どうにかしてその画を自分で身につけたいと考えたことがきっかけで生まれたジュエリーは、「身につけられるアート(Wearable Art)」として話題を呼び、現在ではハワイやアメリカ西海岸を中心にのべ30店舗で取り扱いのある人気アイテムに!
「この写真がジュエリー作りのきっかけになったの!」と、夫が撮影したハワイのサンセットの風景を嬉しそうに見せてくれたモーガンさん。
他にはない、ハワイならではの美しい風景をあしらった特別感のあるジュエリーは、旅行の思い出として自らのお土産にしたり、また大切な人にプレゼントしたりしても喜ばれそうだ。
現在は、女性向けのネックレスやピアスのみの展開だが、今後はメンズアイテムもラインアップに加えていきたいそうだ。
さて、モーガンさんに見送られて階段を降りると、地上では何やら賑やかな催しが。実はここ、ワード・ウェアハウスの広い駐車場エリアで、毎週土曜の朝8時~12時に「カカアコ・ファーマーズマーケット」という朝市が開催されており、地元食材を売る屋台やフードトラックがずらり。早起きして、地域のカジュアルな空気感を味わってみるのも楽しそうだ。
「ハワイではいま、食や、ファッションプロダクトなどにおいても『メイドインハワイ』のローカル主義のムードが高まっていますよ」とユリコさん。
軒先を見て回ると、グルテンフリーのパンやクッキー、グリーンスムージーなど、オーガニックなヘルシーフードが目立つ。ファッションの進化(スリム化)に応じて、ボディラインを気にするロコが増えたという表れなのかも。
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- 文・撮影=中山理佐
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