マレー半島とボルネオ島北部にまたがる常夏の国、マレーシア。実はこの国、知る人ぞ知る美食の国なのです。そこでこの連載では、マレーシアの“おいしいごはん”のとりこになった人たちが集う「マレーシアごはんの会」より、おいしいマレーシア情報をお届け。多様な文化が融け合い、食べた人みんなを笑顔にする、とっておきのマレーシアごはんに出会えますよ。

マレーシアに根づいた英国文化

 マレーシアに住んでいたころ、よく友人とホテルに通っていました。お目当てはアフタヌーンティー。

一流ホテルのアフタヌーンティーが手頃な価格(1,800~3,000円ぐらい)で味わえるのもマレーシアならでは。(写真提供:The Ritz-Carlton KL)

 旧イギリス領のマレーシアには、人々の生活のなかに英国式の文化が今も生きています。コロニアル式の建築様式、人々が話す“イギリス”英語。朝食にトーストをよく食べ、紅茶を好んで飲むのも、この歴史的な背景によるものです。アフタヌーンティー文化もそのひとつ。もともとおやつ好きのマレーシア人、甘いものを食べながらお茶を飲むというイギリス人の習慣はたちまち浸透したようで、午後のティータイムは人々の生活にかかせないものになっています。

 ということで今回は、マレーシアの首都クアラルンプールで、いま話題を集めている2つのアフタヌーンティーを紹介します。

◆ザ・リッツ・カールトン クアラルンプール
進化したNEOクラシック

伝統的な3段トレーには、スコーン、サンドイッチ、ケーキなど。ブルーを基調にした上品な食器は、ホテルのオリジナルデザイン。(写真提供:The Ritz-Carlton Kuala Lumpur)

 厚みのあるスコーンに、濃厚なクロテッドクリームとベリージャム。チキンとハム、スモークサーモンのサンドイッチ、旬の果物をたっぷり使ったフレッシュなプチ・ケーキなど、「ザ・リッツ・カールトン クアラルンプール」のアフタヌーンティーは、正統派の英国スタイルです。

取材日は、マンゴーケーキ、レモンパフ、ミックスベリーのタルト、キャロットケーキ、ミルク味のマカロン、ラズベリーケーキ、チョコムース。これで3人分。(写真提供:山崎美奈子さん)

 さらに、2016年10月のリニューアルより、ミニバーガーとエッグタルトも加わり、ボリュームも抜群に。お茶は、唐の時代から親しまれていた鉄観音など、世界中から集められた約40種の中から好きな茶葉をチョイス。ふかふかのソファ席にジャズの生演奏という贅沢な空間も魅力です。

ザ・リッツ・カールトン クアラルンプール「ロビーラウンジ」
提供時間 15:00~18:00
料金 平日80リンギット(2名分、税サ込)、土日80リンギット(1名分、税サ込)
http://www.ritzcarlton.com/jp/hotels/malaysia/kuala-lumpur
※予約した方がベター

2016.11.18(金)
文・撮影=古川 音