1日目 密林との一体感に酔うロマンティックなテント

ジャングルに覆われた山腹に立つフォーシーズンズ。高床式のゲストテントはすべて同じ設計

 バンコクから飛行機で北上し、チェンラーイへ。空港ではホテルの車が出迎えた。カラフルな町を抜け、田園風景を眺めていると、メコン川の豊かな流れに出合う。ゴールデントライアングルだ。

 かつて、この一帯は世界的な麻薬ビジネスの場だった。事態を憂慮したタイ王室や国際機関は、ケシ農家が茶やコーヒー栽培で自立できるよう、サポートを開始。政府も麻薬撲滅を徹底した結果、エリアは平和を取りもどしたという。

 車は船着き場まで。目指すテントキャンプは、メコンの支流となるルアック川のほとりに立つ。ここからボートで川を渡り、さらに四駆車で山道を走り抜けることに。
ジャングルのなかに現れたキャンプは、ラグジュアリーな大人のリゾートだった。
ルアック川を見下ろす広大な敷地には、高床式のレストランやスパ、ワインセラー、プール、象の飼育場をはじめ、15のゲストテントなどが点在する。

 チェックインは、サロンでもあるレストランのテラスで。キャンプホストが目の前の絶景を指さし「あの山脈はラオス、川の向こうがミャンマーです」とほほえむ。ホストに導かれ、断崖の上の小径や谷に架かる橋をたどり、テントに向かう。竹が生い茂る山はアジアの趣。歩きながら、ゆるゆると気持ちが解き放たれていくようだ。 

 ゴージャスなテントには、フラワーバスとシャンパンが用意されていた。さっそく、夕陽に染まる大地と川を眺めながら、花びらのバスタブに身を沈める。高まる虫の音、風が運ぶ匂い、鮮明な山の気配。心の底から、ジャングルとの一体感が湧き上がってきた。

各テントは、タイの山岳民族や動植物にちなんだテーマをもつ。室内外のレイアウトは同様だが、インテリアはそれぞれのテーマに沿って

<次のページ> 今日は朝から、待望のエレファント・トレッキングへ

2011.12.07(水)
text: Masami Uwabo
photographs:Toshikazu Sato
coordination: APEX Thail
special thanks: Tourism Authority of Thailand

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※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

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