敷地内の観光名所とリピーターが多い秘密

 敷地内には観光名所もある。「鬼八の森」庭園内にある鬼八の墓だ。高千穂峡にある約200トンの力石を投げたという、あの鬼八だ。

 悪事を働く荒ぶる神として人々を困らせていた鬼八を,御毛沼命(みけぬまのみこと)が退治した際、二度と甦らないように身体を3つに分けて葬った。そのうちの胴体が埋められたと伝えられている。そんな伝説に思いを馳せながら、敷地内を散策するも楽しい。

 館内で出会う旅館スタッフは、とにかくホスピタリティに溢れている。ひときわ丁寧に接してくださる男性がいた。聞けば2代目女将佐藤久美さんのご長男の浩紀さんだという。実は、この旅館の細やかなおもてなしの秘密は、家族経営ということだ。

 沖縄が1972年に日本に返還される前、まだ海外旅行が一般的でなかった時代に、宮崎は新婚旅行先として人気が高かった。たくさんのハネムーナーが訪れるのに、宿泊施設が足りていなかった。下宿の部屋にも多くの観光客が宿泊していた。そこで1973年、久美さんの祖母が旅館業に舵を切ったのだ。

 旅館としての創業は、現女将の父が祖母の意志を受け継いだ。そして、40年ほど前からは高級化を目指し、現在では高千穂随一の高級旅館となった。

 現在では久美さんの3人のご子息が大学を卒業して戻り、旅館を手伝っている。敷地内ですれ違うと笑顔で挨拶してくださったり、送迎の車を運転してくださったり。まるで、親戚が訪ねて来たときにもてなしてくださるような温かいホスピタリティだ。リピーターが多い理由のひとつとなっている。

ファーストクラスで世界一周

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たかせ藍沙(たかせ あいしゃ)

トラベル&スパジャーナリスト。渡航160回超・70カ国超、スパ取材300軒超、ホテル取材2000軒超、ダイビング歴800本超。日々楽しい旅の提案を発信中。主な著書に『ファーストクラスで世界一周』(ブックマン社)、『美食と雑貨と美肌の王国 魅惑のモロッコ』(ダイヤモンド社)、『LOVE! ROSE 薔薇のチカラでもっとキレイになる!』(宝島社)。楽園写真家・三好和義氏の共著に『死ぬまでに絶対行きたい世界の楽園リゾート』『青の楽園へ 地球の奇跡、大自然の宝石に逢いに...』(ともにPHP研究所)がある。
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