新作「シャ・ショコラ」と「バトン・ミルフィーユ」

――2026年の新作ショコラは「シャ・ショコラ」。愛らしい猫のパッケージが印象的です。

 この猫は昨年亡くなった愛猫のイラストなんです。2025年は他にも悲しい出来事がありました。大切な家族や猫を亡くし、あらためて家族の愛について深く考えました。今も我が家には2匹の猫がいますが、彼らも大切な家族の一員。愛猫を通して、みなさんに大切なことを伝えたいと思いました。

――8つのボンボンショコラは、素材の香りと味わいが豊か。カッセルさんの日々にちなんだ味わいです。

 新作の「メゾン(レモンとエルダーフラワーのガナッシュショコラ)」は、エレーヌの手料理と「サンジェルマン」(スピリッツ)で締めくくる一日を表現したものです。「ブティック(洋梨とキャラメルのガナッシュショコラ)」は、秋の朝、オーブンから取り出した洋梨とキャラメルが香る店内から着想を得ました。

――「バトン・ミルフィーユ」は、サロン・デュ・ショコラで大人気です。

 サロン・デュ・ショコラ東京の初日には、400本も売れました。構成は3層で、フィユタージュ(パイ)の上に、マダガスカル産バニラを使ったホワイトチョコレートのクリームを絞り、その上にヴァローナ社のダークチョコレート「グアナラ」のクリームを絞っています。好評なので、2月20日からは経堂のお店で販売します。


 お菓子やショコラには、ときに作り手の人柄が映し出されます。カッセルさんは明るく、よく笑い、まわりを楽しませてくれる方。私が初めてお会いした10年以上前から、その印象は変わりません。「フレデリック・カッセル」のお菓子やショコラは、いつも笑顔を運んでくれます。

》【後篇】「すべてはおいしいフランス菓子のために」素材、食感、階層、そして味。ショコラティエのフレデリック・カッセルが追い求める“しあわせのお菓子作り”とは を読む

フレデリック・カッセル 経堂アトリエ店

所在地 東京都世田谷区経堂4-12-12
電話番号 03-6413-7439
営業時間 11:00~19:00
定休日 月・火(祝日の場合は翌日お休み)

フレデリック・カッセル

1967年5月25日生まれ、フランス北部アブヴィル出身。精肉店を営む家で“良質の食”に囲まれて育つ。ポール・マニュにて飴細工を学んでいた頃にピエール・エルメ氏と出逢い、1988年からFAUCHONにて修行。1994年、高品質の食を求める人たちが多いことで知られる、パリ郊外のフォンテーヌブローにて自身の店をオープン。世界規模のパティシエ・ショコラティエ協会「ルレ・デセール」の会長を長らく務め、2018年には名誉会長に就任した。こだわり抜いた素材と伝統が紡ぎ出す繊細なパティスリーは、世界中で多くの人々を魅了している。

次の記事に続く 「すべてはおいしいフランス菓子のために」素材、食感、階...