大人になってからの友達と、趣味のワインを楽しむ時間

――そんな吾郎さんが今一番興味があることってなんですか? 日常でも、趣味でも、仕事でも……なんでも良いので教えてください。今日はお誕生日が近いということで(12月8日)、少し良いドリップバッグのコーヒーをお持ちしました。コーヒーもお好きと聞いています。

 どうもありがとうございます。コーヒーは好きなので嬉しいです。でもそこまで詳しくは語れないんですよ。僕は中途半端で趣味の幅が広いだけ。ワインへの興味はちょっとまた再燃してるかな。最近仲良くなった、よく時間を共にする友達がいて。その彼が若い時にワインを飲んでいなかったから、今から覚えたいと。やっぱり趣味を一緒に始めるとまた面白いじゃないですか。僕はワイン好きになったきっかけのワインを思い出して、自分が伝えられることもあるし、彼から学ぶことが多いし……新しい友達の影響でまたワインへの興味が盛り上がってますね。

――今日お酒をお持ちしようか、コーヒにするか、実は迷ったんです。

 コーヒーは嬉しいですよ。僕もなるべく時間に余裕がある時は豆で買って自分で挽くんですが、ちょっと時間がなくなるとお店で挽いてくださいと希望を言って買ってきて、ほんとに時間がないとドリップバッグに、っていう感じになってくるんです。結構うちのコーヒーマシンが美味しくできるんですけど、ドリップバッグもこの間買ってきたら、とても美味しかった。ちゃんと作れば、美味しいんですよね。

 実は僕がよく行く商店街にコーヒー豆を売ってるところがあって、行くと必ず「3時間待ち」とか言われるんです。だから1回も買ってないんですよ(笑)。どれだけこだわってるコーヒーの味なのかなと思っていて、前を通るたびにいつかそのコーヒーを買いたいなと思ってるのだけど。3時間分の甲斐があるのかな。でも、3時間も待つのは嫌ですよね(笑)。

――ワインに限らず、誰かに知識を教えることでの発見ってありますよね。

 そう。それに今夢中になってる人って、成長の速度が早いじゃないですか。だだ、今ワインは値段が高すぎるから、趣味としておすすめと言いづらいところはあるんですよね。円安もあって、とんでもないことになっている。でもやっぱり趣味の1つとして本当に幸せな気持ちになれる、本当に僕はワインが好きだなって改めて再確認しました。それに、一緒に飲む人がいないとワインって楽しくないなあ。1人で飲むものではない、絶対そう思う。人がいて、料理もあって、初めて感動をもたらしてくれるものかなって改めて思ってます。

――吾郎さんディレクションのお店「BISTRO J_0」も今年、銀座から原宿に移転しましたね。

 そう、以前より少し雰囲気が変わって、居心地がいいと思いますよ。場所が変わるとやっぱり違って見えてきますよね。お客さんとしていらっしゃる方の気分も変わると思います。

稲垣吾郎(いながき・ごろう)

1973年12月8日生まれ、東京都出身。アーティスト、タレント、ラジオパーソナリティなど幅広く活躍。俳優としては1989年に連続テレビ小説『青春家族』でドラマデビュー。翌1990年に『さらば愛しのヤクザ』で映画デビューを果たす。以降、ドラマ、映画、舞台などで見せた演技力が高く評価される。

『プレゼント・ラフター』

舞台は英国ロンドンの高級アパートメントの一室。実力とカリスマ性を兼ね備えた舞台俳優ギャリー(稲垣吾郎)は、スターならではの孤独感と老いへの恐れからか、私生活でもついつい演技をしてしまう。まもなく海外ツアーへ出発する彼の部屋を、元妻をはじめ次から次へと個性的な面々が訪ねて来て、騒動を巻き起こしていく。

作:ノエル・カワード 翻訳:徐賀世子 演出:小山ゆうな
出演:稲垣吾郎/倉科カナ 黒谷友香 桑原裕子 望月歩 金子岳憲 中谷優心 白河れい/浜田信也 広岡由里子
2026年2月7日(土)~28日(土)に東京・PARCO劇場ほか、京都、広島、福岡、仙台で上演。

次の記事に続く 「初日は意外とみんな間違える(笑)」「またこの量のセリ...