《酒好き必読!》肝臓の状態を知るための「健康診断」活用術。ほとんどの医者が必ず「AST」と「ALT」をセットで見る理由とは…〉から続く

 年間3万人を診察する総合診療医の伊藤大介さんは、「健康診断こそが深刻な病気の『芽』を摘むことができる唯一の方法です」と強調する。

 そんな伊藤さんが初の単著『総合診療医が徹底解読 健康診断でここまでわかる』を10月20日に刊行した。血圧、血糖値、コレステロール、腎機能、がん検診……など検査数値の見方が180度変わる実用的なポイントが満載の内容になっている。

 伊藤さんは、約50個以上あると言われるオプション検査の中で「汎用性」「安全性」「精度・信頼性」「コストパフォーマンス」などの観点からオススメの検査をランキング形式で発表。今回は第1位となった検査について解説した個所を抜粋して紹介する。

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【第1位】腹部超音波検査

幅広さ:★★★★★
信頼性:★★★★☆
安全性:★★★★★
コスト:★★★★★

 まず、第1位です。

 ぜひ幅広い世代で受けていただきたいオプション検査が「腹部超音波」です。数ある検査の中でも1位に選んだ理由は、何といっても「汎用性」の高さです。

 腹部の診察は通常であれば、聴診器で患者さんの腸の音を聴き、お腹を触るなどして、患者さんの反応を確認するだけです。もちろんタッピングや反跳痛(腹壁を圧迫し続けてから急に手を離す瞬間に鋭い痛みを感じること)など、医師による身体診察の様々なテクニックがありますが、それでも画像診断がない限りは、腹部を診察できる範囲は極端に限られてしまいます。

 せいぜい分かったとしても、肝臓の大きさや、腎臓の腫れの強さ、腸についても動きが活発であるかどうかといった程度のことです。ましてや膵臓や脾臓、膀胱、子宮の状態などはまったくと言っていいほど分からないでしょう。

それぞれの臓器の状態がリアルタイムでわかる

 一方で、腹部超音波検査を受けると、以下のように数多くのことが、ある程度は正確に、イメージとして把握することができます。

 ・肝臓:脂肪肝や肝硬変、肝臓がんなど
 ・胆のう:胆石や胆のうポリープなど
 ・胆管:胆管がん、胆汁うっ滞による黄疸など
 ・腎臓:腎結石や尿管結石、慢性腎臓病、水腎症、腎がんなど
 ・膵臓:膵炎、膵臓がんなど
 ・脾臓:脾腫
 ・膀胱:膀胱結石や膀胱がんなど
 ・前立腺:前立腺がん、前立腺肥大など
 ・腹部大動脈:腹部大動脈瘤など
 ・子宮:子宮筋腫や子宮腺筋症など
 ・卵巣:卵巣のう腫

 腹部超音波検査は操作も難しくはないですし、患者さんにとっても安全です。体に害のない超音波を発する「プローブ」と呼ばれる機械にゼリーを塗って体にあてるだけ。プローブをあてた場所から超音波を通してお腹の中の画像が描出され、それぞれの臓器がどのような状態であるかがリアルタイムでわかります。さらに、プローブのモードを変えると、臓器の血流や硬さまでもわかるのです。

 数あるオプション検査の中でも、これほどまでに安全性が高く、幅広く情報が得られる検査はなかなかありません。

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