「冬の鉄板」鍋料理。

 ニッポンに当たり前にある定番がいつしかどんどん進化中。より濃密になるうま味が身体に染み込んだ頃には乾燥も倦怠もきっとどこ吹く風。夜道に灯るあのレストランの輝き。一歩足を踏み入れば、心も身体も温まる一品が待っている。

» 第1回 【京橋】出汁でいただく極上蒸し鍋「瓢喜 香水亭」
» 第2回 【西麻布】冬限定の鶏鍋「霞町かしわ割烹 しろう」
» 第4回 【銀座】のどぐろしゃぶしゃぶ「銀座中俣」

◆ 藁ウ鴨ニハ福来ル <吉祥寺>

柔らかく肉質のいい岩手鴨を
こだわりの出汁に10秒ほどくぐらせて

藁焼き鴨しゃぶ1人前 2,500円。鴨のロース肉、もも肉、つくね、根深ねぎ、九条ねぎ付き。追加の肉や野菜、〆の麵や雑炊もあり。

 2015年秋にオープンした鴨しゃぶ専門店。テーブル席の他、立ち飲みカウンターで1人でも気軽に鍋を楽しめる。

 柔らかく深い味わいの岩手鴨は特殊な冷凍法を施し、生産者から直接取り寄せる。鴨肉は無農薬で育てた稲藁を使って軽く炙るので、まるで燻製のようないい香り。鍋に張った出汁は、愛知県・七福醸造の有機白醤油と、日高昆布、魚節で取ったこだわりの品だ。

 出汁に肉を10秒ほどくぐらせたタイミングが、一番の食べ時。さらに根深ねぎと九条ねぎもさっと出汁にくぐらせ、肉と一緒に食べれば、改めて鴨とねぎの相性の良さを実感できるはず。

1階は立ち飲みカウンター席が中心。写真の地下はテーブル席で、お座敷席もあり。

藁ウ鴨ニハ福来ル(ワラウカモニハフクキタル)
所在地 東京都武蔵野市吉祥寺南町2-8-8 1F・B1
電話番号 0422-24-9383
営業時間 17:00~23:30(L.O.)
定休日 無休
席数 60席
料金 酒肴 380円、ビール 500円、日本酒(1合) 750円~
※カード利用可

2015.12.11(金)
構成=木原美芽
文=山田貴美子
撮影=菊地和男

CREA 2016年1月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

冬にしたいふだんのこと、と映画

CREA 2016年1月号

冬にしたいふだんのこと、と映画

定価780円