ねり物としての存在感を重視! 麺入りヨントウフ

 麺の具としてもヨントウフは大活躍。こちらはスープ麺です。

クアラルンプールのショッピングセンター「パビリオン」の、フードコートにあるヨントウフ。具、スープ、麺の種類をそれぞれ選び、好みのヨントウフを完成させる。

 ヨントウフが食べやすくカットされ、具としてのっています。ヨントウフのすり身部分が麺によく合うのですね~。いうなれば、かまぼこや竹輪がうどんにのっている感じ。

 カレーヌードルの具になっているヨントウフもあります。

濃厚なカレースープとヨントウフの相性は抜群。(写真提供:Mayukoさん)

 ほかにも「チーチョンファン」という麺の具、「るい茶」というご飯の具としても登場。つまりヨントウフは、「もう一品食べたいな」というときのサイド・ディッシュとしても活躍しているので、ぜひ注目してみてください。

 最後に、通好みのヨントウフの楽しみ方も伝授。

ヨントウフで、ロシアンルーレットを楽しむ!

 こちら! 前の写真でもすでに登場しているのですが、唐辛子のヨントウフ。

唐辛子は種が辛いので、種がたくさん入っているヘタのほうではなく、先っぽの細くなっているほうから慎重に食べよう。(写真提供:杉さん)

 唐辛子は、ものによって、辛い場合と辛くない場合があります。辛いときは、口のなかで火を噴きますが、そうでないときは、しし唐ぐらいの辛さ。マレーシアに住んでいたとき、この唐辛子をロシアンルーレットのゲームのように、同僚とキャーキャー言いながら食べたのが楽しかった。ぜひ運試しもかねて、唐辛子に挑戦してみてください。

アンパン地区のヨントウフ店「Foong Foong」。家族や友人と一緒に大勢でヨントウフを楽しんでいる。

 マレーシアのおでん、ヨントウフ。異国の味とは思えない、日本人の嗜好にとても合う味です。またヨントウフは、なぜか、あまりひとりでは食べません。大皿に多数の具を盛り、みんなでワイワイと食べる料理です。このよう食文化も、日本のおでんに通じるものがあるのかもしれません。

日本でも「ヨントウフ」を提供しているレストランがあります!

マレーカンポン(東京都中央区八丁堀)
URL http://www.malaykampung.com/
※2人前以上にて要予約

マレーアジアンクイジーン横浜(横浜市中区)
URL http://www.malayasiancuisine.com/index.html
※2人前以上にて要予約

野菜とすり身の絶品コンビ! ねり物満載の料理なので、在住日本人の間では“マレーシアのおでん”とよばれています。「マレーシアごはんの会」事務局のやかべっちが、クラン地方の名店に訪問。今回も「スダップ バニャバニャ!(とっても美味しい)」を連発しています。激辛唐辛子をほお張った時のリアクションにも注目!

マレーシアごはんの会 古川 音(ふるかわ おと)
「マレーシアごはんの会」にて、マレーシア料理店とコラボしたイベント、マレーシア人シェフに習う料理教室を企画・開催。クアラルンプールに4年滞在した経験をもち、『ニッポンの評判』(新潮新書)のマレーシア編を執筆。マレーシアごはんの会の活動のほか、情報サイト「All About」でのマレーシアライター、食文化講演も担当している。
オフィシャルサイト http://www.malaysiafoodnet.com/

Column

マレーシアごはん偏愛主義!

現地で食べたごはんのおいしさに胸をうたれ、風土と歴史が育んだ食文化のとりことなった女性ふたりによる熱烈レポート。食べた人みんなを笑顔にする、マレーシアごはんのめくるめく世界をたっぷりご堪能ください。

2015.12.11(金)
文=古川 音
撮影=古川 音、三浦菜穂子