ふわっふわパンでカヤジャムを楽しむ変形バージョン!

 さて、トースト以外にもマレーシアではカヤジャムを楽しめるパンがいくつかあります。

ボルネオ島に位置するサバ州・州都コタキナバルの人気店「富源(フックユエン)」のカヤパン。メニューにはトーストタイプもあるが、こちらのお店ではこのタイプが一番人気。

 まずは「ロティ・カウィン」。マレー語でロティはパン、カウィンはなんと結婚! そう、「結婚するほど相性がいい」という異名を持つカヤパンメニューです。パンはトーストされておらず、ふわっふわな柔らかさ。カヤジャムとバターをはさむのはカヤトーストと同じですが、そのパンの柔らかさとカヤジャムとの相性が抜群! という理由から、この名称がついたようです。

「富源(フックユエン)」の店内の様子。カヤトーストはこのような「コピティアム」と総称される、伝統的なカフェスタイルのお店でいただけることが多い。

 そして、こちらはスチームタイプのカヤパン。もちっとしたパンの食感を楽しむタイプで、トーストタイプよりもカヤジャムもバターも薄めに塗られています。わずかではありますが、カヤジャムが少ない分カロリーも控えめだからか、女性が食べている光景を目にすることが多いです。

左:10cm四方程度の厚手のパンが4等分されているスチームタイプのカヤパン。柔らかいパンとカヤジャムの甘さの相性がとても良い。
右:前述のコーヒーチェーン「オールドタウン ホワイト コーヒー」のスチームカヤパン。飲茶で使用する蒸篭で蒸し、そのままサーブされる。

家でもカヤジャムを楽しみたい! そんな時は……

 最後に少し番外篇として……。もしマレーシアに行った際には、お店で食べるだけではなくお土産でカヤジャムやカヤパンを購入してみることをオススメします。休日の朝ごはんにカヤトーストを作れば、気分はもうマレーシア! 幸せな休日となること間違いなしです。

左:カヤジャムはスーパーやコンビニなどでは必ず売られている。1個3リンギット程度(約90円)でとても手頃。飛行機では液体扱いとなり、手荷物では持ち込めないので要注意。
右:スーパーなどで売られているカヤジャムがはさんである菓子パン。1個3リンギット程度(約90円)だが、20cm四方くらいの大きさで、結構食べ応えがある。

 いかがでしたか? ぜひ、南国の贅沢なトースト「カヤトースト」で甘~いマレーシアを満喫してみてくださいね。

マレーシアで大人気のローカルカフェチェーン店「OLDTOWN WHITE COFFEE(オールドタウン ホワイト コーヒー)」。ココナッツミルクと卵でできた「カヤジャム」をはさんだ、サクサクテイストの「カヤトースト」が大人気。カヤトーストと合わせていただくのは、カフェ看板メニューでもあるマレーシアの甘~いローカルコーヒー「ホワイトコーヒー」! 「マレーシアごはんの会」事務局やかべっちが、マレーシア通ならではのカヤトーストの食べ方も伝授。甘くて美味しいカヤトーストが、さらに美味しくなること間違いなし。美味しい時の合言葉「スダップ バニャバニャ!(とっても美味しい!)」と最高の笑顔で、今日も美味しいマレーシアごはんをレポートします!

マレーシアごはんの会 三浦 菜穂子(みうら なおこ)
「マレーシアごはんの会」にて、マレーシア料理店とコラボしたイベントを企画・開催、マレーシア料理店のサポートを行う。バックパッカーとして1998年にマレーシアを訪れて以来、マレーシア全州を周り、訪馬回数は30回以上にのぼる。ガイドブックには載っていない小さな田舎町を訪れ、のどかなマレーシアの人、ごはん、風景を、写真や体験談を通して広めている。
ブログ http://blog.goo.ne.jp/cintamalaysia

Column

マレーシアごはん偏愛主義!

現地で食べたごはんのおいしさに胸をうたれ、風土と歴史が育んだ食文化のとりことなった女性ふたりによる熱烈レポート。食べた人みんなを笑顔にする、マレーシアごはんのめくるめく世界をたっぷりご堪能ください。

2015.11.27(金)
文=三浦菜穂子
撮影=三浦菜穂子、古川 音