Magnificent View #765
ハーストキャッスル(アメリカ)

(C) Robert Harding Images / Masterfile / amanaimages

 カリフォルニアの丘の上に立つ、優雅なプール付きの建物。キャッスルと名が付いているが、ここは映画『市民ケーン』の主人公のモデルとしても知られるアメリカの新聞王、ウィリアム・ランドルフ・ハーストが建てた私邸だ。広大な敷地の中に、ご覧の屋外プールのほか、165の部屋、ガーデン、2つの豪華なゲストハウスなどを擁している。

 眼下に海を望むこの地を購入したのは、ハーストの父。土地を相続したハーストがこの絶景を気に入り、幼い頃に訪れたスペインの教会をモチーフにした自分の城を築こうと、豪邸建築を計画。カリフォルニア初の女性建築士、ジュリア・モーガンに設計を依頼し、1919年に建設が始まった。

 城はハーストが病床につく1947年まで増築が続いた。その間も、チャールズ・チャップリンやクラーク・ゲーブルら映画俳優や、ウィンストン・チャーチルなどの有名人がたびたび招待され、華やかな生活が送られていたという。

 1951年にハーストが亡くなって以降、建物は州が所有。現在は歴史的建造物として一般公開され、邸宅内を見学するガイドツアーが行なわれている。

Column

今日の絶景

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2015.11.04(水)
文=芹澤和美