ベジタリアンの本家本元、カレーから惣菜まで揃う「インド料理」

インド人街にあるお店「アナラクシュミ」にて、野菜だけで作られたランチビュッフェ18リンギット(約600円)。カレー、ヨーグルトサラダ、ホウレンソウやかぼちゃのサブジ、砕いた豆を揚げたワダ、インド系のパンなどがすべておかわり自由。

 スパイスが香るインド料理のベジタリアン。サブジとよばれる野菜のおかず、豆やほうれん草のカレー、トマトの辛味スープまで、数えきれないほどの料理があります。ここまで完成された味になると、インド料理にお肉は必要無いのでは? とさえ思ってしまうほどのおいしさ。辛さひかえめの料理が多く、こちらも食べやすい味です。

 ただ、インド系のお店は、ベジ専門店としての数はあまり多くありません。というのも、ヒンズー教徒の多いインドレストランでは、どのお店も野菜だけで作ったメニューを用意しているので、ベジタリアンはそれを選べばいいからです。スパイスと野菜のうま味で作り上げたインドのベジ料理は、異国の味なのに体の中にス~ッと入ってくるやさしさがあります。これぞインド5000年の歴史の味なのかもしれません。

ベジだけで提供するインド料理店「アナラクシュミ」。KLセントラル駅近くのエリア、ブリックフィールズにある。
「アナラクシュミ」には2つのレストランがある。ビルの中のものは、先ほど紹介した定額のビュッフェスタイル。この写真は川沿いにある方で、料理の数は少ないが、料金はお布施方式。じぶんで好きな金額を支払う。

 最後にこちら。ベジタリアンフードには、マレーシアの名物料理に似せた“もどき”料理もあります。香ばしく焼き上げられたターメリック色の串焼き料理……その姿はまるでサテー。串に刺さったお肉のように見えるものの正体は、グルテン質の大豆ミートです。

こちらがサテー“もどき”。付け合わせのきゅうり、ピーナッツソースもサテーそのもの! ほかにも、バクテーやカレー麺、ラクサの“もどき”料理がある。(写真提供:鈴木祥一さん)

 こんなにもバラエティ豊かなマレーシアのベジ料理。ベジタリアンならずとも、ぜひ味わってほしいマレーシア料理です。マレーシアの旅の道中に野菜が恋しくなったら、看板に「齋」「素」の文字を探してみてください。インド系の料理店ではベジカレーを。やさしい野菜の味わいとスパイシーさで、疲れが癒されパワーチャージされるはず。ぜひマレーシアで、体も心もヘルシーに生まれ変わってください。

マレーシアごはんの会 古川 音(ふるかわ おと)
「マレーシアごはんの会」にて、マレーシア料理店とコラボしたイベント、マレーシア人シェフに習う料理教室を企画・開催。クアラルンプールに4年滞在した経験をもち、『ニッポンの評判』(新潮新書)のマレーシア編を執筆。マレーシアごはんの会の活動のほか、情報サイト「All About」でのマレーシアライター、食文化講演も担当している。
オフィシャルサイト http://www.malaysiafoodnet.com/

 

Column

マレーシアごはん偏愛主義!

現地で食べたごはんのおいしさに胸をうたれ、風土と歴史が育んだ食文化のとりことなった女性ふたりによる熱烈レポート。食べた人みんなを笑顔にする、マレーシアごはんのめくるめく世界をたっぷりご堪能ください。

2015.04.30(木)
文・撮影=古川 音