Magnificent View #393
サンジョルジェ城(ポルトガル)
(C) Robert Harding Images / Masterfile / amanaimages
「サウダージ」。ポルトガルを旅していると、この言葉をたびたび耳にする。ポルトガル語で「郷愁」や「思慕」を意味するこの複雑なニュアンスの言葉を、なんとなく実感できるのが、リスボンにあるご覧の景観だ。
丘の上に見えるのは、サンジョルジェ城。紀元前に築かれて以降、数々の民族に支配された、波乱万丈の歴史を持つ城だ。その下に広がるのは、白壁にオレンジ屋根の家が並ぶ住宅街。夕暮れどき、西日に染まった一帯は、見ているだけで、ノスタルジックな思いがあふれてくる。
15~16世紀の大航海時代に繁栄を築き、西ヨーロッパでもっとも美しい街と讃えられたリスボン。かつて隆盛を極めたこの街はいま、郷愁に満ち溢れた情景が、なによりの魅力となっている。
文=芹澤和美
