戦後80年の沖縄初訪問、那須・須崎での夏休み、国際会議の舞台。23歳になった愛子さまはこの夏、充実した時間を過ごされていた。不登校やバッシングの苦難を乗り越え、社会人となり外の世界に触れた今、ご自分なりの道を見出そうとしている――。
発売中の『週刊文春WOMAN 2025秋号』より、一部を抜粋・掲載します。
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「久しぶりに海に行くのが楽しみです」
8月1日の夜8時過ぎ、天皇皇后両陛下と長女の愛子さまを乗せた臨時列車が、静岡県の伊豆急下田駅に到着した。駅構内には、静養先の須崎御用邸に向かわれるご一家を一目見ようと、約100名の地元住民や観光客が詰めかけていた。なかには、皇太子時代からお出迎えを続けている人の姿もある。
「愛子さまー!」
両陛下と愛子さまがコンコースに姿を現すと、待機していた人々から大きな歓声があがり、“愛子さま人気”の高さがうかがえた。

ご一家は集まった人々に歩み寄り、「暑いですが、お身体は大丈夫?」と気遣われたり、7月30日にロシア・カムチャツカ半島付近で発生した地震による津波の影響を案じられて、「生活の中で心配されていることはありますか」などと尋ねられたりしたという。
この日は愛子さまもリラックスした表情が多く見られ、「久しぶりに海に行くのが楽しみです」と笑顔でお話をされていたそうだ。
一際目を引くスリーショット
天皇ご一家が「須崎御用邸」を訪れるのは、コロナ禍を挟んで6年ぶりのこと。相模灘を望む高台に位置する御用邸は1971年に建てられ、葉山御用邸や那須御用邸と比べると、比較的新しい。鉄筋コンクリート造りの地上2階、地下1階建ての建物で、地下には海洋生物の研究ができる部屋も備わっている。
須崎は黒潮が流れる太平洋に面しているため、一年を通して温暖な気候に恵まれているが、夏には時折、海から涼しい風が吹く。ご一家にとっては、都会の喧騒から離れてゆっくりと自然を楽しめる場所の一つと言われている。雅子さまも以前、「やはり須崎は何となく落ち着きますね」と、ご学友の一人に語っている。
宮内庁は後日、ご一家が御用邸に滞在された際の写真を公開。両陛下や愛子さまがお手持ちのカメラで撮影された風景写真など、全6枚の写真の中で、一際目を引くスリーショットがあった。

海を背景にして、雅子さまは白、陛下と愛子さまは黒のラッシュガードを着用されて、微笑まれているものだ。御用邸敷地内のプライベートビーチ「三井浜」で海水浴を楽しまれた直後なのか、まだ少し髪が濡れていらっしゃるようだった。
「このような写真をあえて選ばれたのは、ご公務から離れてリラックスされている姿も、ありのままに国民に伝えたいというお気持ちがあったからではないでしょうか」(宮内記者)
ご一家の国民との寄り添い方が垣間見える一枚だった。
2025.10.04(土)
文=友納尚子