「あなたのドラゴンを教育してあげるわ」

 ようこそ、カンヌ映画祭へ!

 映画祭のウラのお話が続いたので、今回はオモテのお話を。追っかけ日記とうたってるんだもの、やっぱりスターの話をしなくちゃね。カンヌの華、それはレッドカーペットを飾るスター。カンヌは監督主義と言われる映画祭であり、上映でも会見でも中心にいるのは当然監督なのだけれど、やはり注目を集めるのはスターたち。

当意即妙な受け答えと、ファッショニスタぶり(この日はスペインのデルポゾのマニッシュな服)で人気者のケイト・ブランシェット。今年のベストドレッサー。

 今年もっとも話題をさらったのは、ケイト・ブランシェット。『ブルージャスミン』でオスカー主演女優賞を獲得したばかりのケイトは招待作品『ヒックとドラゴン2』の声優として登場したのだけれど、会見でバングラデシュの記者に「ぜひバングラデシュに来てください。ご招待します!」と言われたケイト、「じゃあ、あなたのドラゴンを教育してあげるわ。あら、この映画は子供も観るんだったわね」と答えて、爆笑を誘っていた。これは映画の原題『HOW TO TRAIN YOUR DRAGON2』(ドラゴンを教育する方法2)と、男性のムフフな部分を意味するドラゴンをかけての大人のジョーク。姐さん、余裕だわぁ。マダムも見習いたいわぁ。

初カンヌでとんだ事件に巻き込まれたアメリカ・フェレーラ(左)。犯人のウクライナ人レポーター、ヴィタリ・セディウクは、先日LAでブラッド・ピットにつかみかかり御用に。隣はTVドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」で人気のキット・ハリントン。

 その後のレッドカーペットでは共演のアグリー・ベティことアメリカ・フェレーラのドレスに、ウクライナ人レポーターが頭を突っ込むという事件も起きたんだけど、ここでもいち早くケイトが気づいて、レポーターを押しのけたのだ。もう、男前すぎ。

マチュー(中央)と実生活のパートナーでもある、脚本家兼女優のステファニー・クレオ(左)。昔からインテリで背が高い女性がお好き。マチューも映画でかわいいムフフを披露してます。

 また今年の大きな特徴としては、スター俳優が監督する作品が多かったこと。コンペティション部門では、トミー・リー・ジョーンズが監督・主演した『THE HOMESMAN』が上映されたし、ある視点部門にはライアン・ゴスリングの監督デビュー作『LOST RIVER』や、マチュー・アマルリックの監督・主演作『THE BLUE ROOM』が上映された。

2014.06.12(木)
文・撮影=石津文子